
9月20日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、マグダレーナ・アンダーソン財務大臣と穏健党ウルフ・クリスターソン党首はともに、ギャング犯罪、組織犯罪が「スウェーデンが直面している最大の問題」であると認識していると報じています。
ただ記事によれば、穏健党ウルフ・クリステルソン党首は、秋の予算決議における政府の優先事項を強く批判しています。
司法強化に最善を尽くす必要があるときに家族週間について話し合ううのはほとんど挑発的です。
とウルフ・クリステルソン氏は語っています。
家族週間とは、コロナ期において多くの人が自宅勤務できないことがわかり、それを受け政府が家族週間を提案して、4歳から16歳の子供がいる家庭は、片親ずつ年に3日間休暇をとれ、その間収入の80%を受け取ることができるようにする法案です。
この法案は2022年4月に発効すると提案されています。
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これに対し穏健党は、ギャング犯罪、組織犯罪が増加する中で家族週間への予算計上に対し強い反応を示しているのです。
今日、休暇のことよりも治安を心配している人が増えています。これ(家族週間導入)は根本的に誤違っていると思います。
これ(家族週間導入)はスウェーデンの問題を解決するものではありません。
と穏健党党首ウルフ・クリスターソン氏は、マグダレーナ・アンダーソン財務相(S)との討論で述べ、今年夏に発生した多くの銃殺事件後にもかかわらず、家族週間導入の話す事でさえ「挑発的」であると考えています。
しかしマグダレーナ・アンダーソン財務相は、
警察へ多額の投資をしなければその批判は理解できます。実際には連立政権が8年間統治した当初と比較して、過去8年間で警察に2倍の投資をしています。来年、警察は実際に要求したよりも多くの予算を得るでしょう。
と答えています。
ただ財務大臣も、ギャング犯罪、組織犯罪は「スウェーデンが直面している最大の問題」であるという穏健党ウルフ・クリスターソン党首の見解を共有しているとも述べています。
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現在のスウェーデンでは毎日のように拳銃事件が発生し、そうした事件にはギャングメンバーが多く絡んでいます。その為マグダレーナ・アンダーソン財務相も穏健党ウルフ・クリスターソン党首と同じようにギャング犯罪はスウェーデン最大の問題ととらえています。
しかし現在のスウェーデン政府は与党社会民主労働党と緑の党との連立政権で政権が不安定であるため、凶悪犯罪解決だけでなく家族週間導入に予算を割く政府に、穏健党は苛立ちを覚えているようです。
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またその後新首相となったマグダレナ・アンダーソン首相は政府宣言の中でも、
「ギャング犯罪をなくす」つもりであるという社会民主主義の主張を繰り返しています。
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