
IT医療問題:ITシステムダウンで医療予約・手術ストップ
スウェーデンでは多く公共サービスにおいて、パーソナルナンバーという日本でいうマイナンバー(国民背番号)で国民の情報が管理されています。市役所などの公共サービスはもちろんのこと、インターネットショッピング、バスや列車のチケットをアプリ経由で購入する場合はパーソナルナンバー(国民背番号)を使用する必要があります。
病院でも同様であり診察予約をするときにパーソナルナンバー(国民背番号)を提示する必要があり、患者の医療記録もITシステムを使いパーソナルナンバー(国民背番号)で管理されています。
そうしたITシステムとパーソナルナンバー(国民背番号)で管理されたスウェーデンの病院で、ITシステムがダウンしたため医療記録にアクセスできず手術や予約ができないという問題が発生しました。
9月22日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、
北部のノールボッテンでITシステムのクラッシュにより、患者の医療記録にアクセスできず、予定された手術や歯科予約などがキャンセルされたと報じています。
9月21日に医療システムに技術的問題が発生し解決するために、夜間にシステムの停止がされました。しかしシステム停止に伴いさらに新たな問題が発生し、9月22日になっても原因解明のためトラブルシューティングが行われていますが、現在(9月22日時点)では復旧の見通しは立っていません。
医療システムの停止は患者の医療記録にアクセスできなくなるため大きな問題となっており、代わりにすべてを手動で処理する必要があります。
そのため予定されていた手術や歯科医への予約は午前中にキャンセルされました。ただ保健センターや特定の診療所への訪問は可能だとのことです。また救急治療室へはこれまでどうり救急患者を受け入れ、救急車も通常通り稼働しています。
www.svt.se
ただこのITシステム停止は今回だけではありません。
同様な問題が1週間ほど前にも発生していました。そのときも医療スタッフは医療記録、検査室の回答、ECG、またはX線を使用できませんでした。
さらに2016年にも大きなシステム停止が起き問題が発生しました。
医療サービスは国民の生命・健康に直接大きな影響を及ぼす重要な役割を担っています。
IT化が進むにともない便利になる反面、ITシステムが停止すると医療機関が全く機能しない事態を生み出しています。
さらにノールボッテン市では1度だけではなく、1週間前にも、また5年前にも同様な問題が起き、医療サービスが停止してしまっています。
不慮の事故で済ませるのではなく今後の対策もしっかりと行い、安定した医療サービス提供をしてもらいたいものです。
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