8月19日にウクライナのゼレンスキー大統領がスウェーデンを訪問しました。その際にスウェーデン政府にサーブ社の戦闘機グリペンの提供を要求しました。
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戦闘機グリペンはスウェーデンの軍事企業サーブ社が製造している、多用途戦闘機です。
そして、8月25日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、社民党を含んだ複数の生徒が、NATO加盟した際にはウクライナにスウェーデン製の戦闘機グリペンを送ることを検討していると述べています。
ただ検討中と言っているものの、8月20日のSVTによれば、政府はウクライナ人パイロットによる戦闘機グリペンの操縦訓練をすでに認めていると報じてもいます。
www.svt.se
下記に8月25日のSVTの記事を抜粋します。
自由党(L)、キリスト教民主党(KD)、社会民主労働党(S)は、スウェーデンがNATOの一員である場合に限り、JAS グリペンをウクライナに送ることを検討しています。国防大臣パール・ヨンソン(M)によれば、「私たちはまだそこには達していない」とのことですが、スウェーデンが防衛同盟に参加することになれば見直す意向があると述べています。
複数の政党が、スウェーデンがまずNATOのメンバーになることを条件に、戦闘機JAS グリペンをウクライナに送ることに賛成しています。これは、社会民主党の党首マグダレーナ・アンデルソンが記者会見で発表したことから始まりました。その後、リベラル党(L)とキリスト教民主党(KD)も同様の発表をしました。
「私たちはロシアに勝たせるわけにはいかない。JAS グリペンはウクライナにとって大きな違いをもたらすだろう。」とアンデルソンは記者会見で述べました。リベラル党もグリペンを送る用意がある
また、リベラル党(L)もスウェーデンがNATOのメンバーである場合にJAS グリペンをウクライナに送る用意があると述べています。
「ウクライナの外部支援のリストのトップには戦闘機があります。私たちは経済的、軍事的な投資をしてきましたが、ウクライナの必要性にも耳を傾ける必要があります。」とGulan Avci(L)はSVT Nyheterに語っています。
スウェーデンが戦争にどれだけ関与すべきかには限界があるのでしょうか?
「リベラル党とスウェーデンはウクライナの人々と、現在ヨーロッパの民主主義と自由のために戦っている戦いを支持しています。ウクライナの人々はスウェーデンの人々の民主主義と自由のためにも戦っており、そのためにヨーロッパのすべての国々はウクライナの人々を支援する必要があります。」とAvciはSVT Nyheterに述べています。
キリスト教民主党のミカエル・オスカーソンは、ウクライナが戦闘機の必要性が高いと述べています。
「スウェーデンは多くの支援を提供していますが、戦闘機に関しては本当に必要です。したがって、キリスト教民主党はその支持をしています。ただし、その前には多くの疑問が解決される必要があります。」
モデラテルナ党はこれまでに反対を示しています
先週末、ヴォロディミル・ゼレンスキーはスウェーデン訪問中、グリペンに興味を持っていると述べましたが、ウルフ・クリスターソン(M)首相は飛行機の約束はしませんでした。
「実際に戦争の一部になる前には常に限界があります。」とクリスターソンはTTに語りました。
L、S、KDからの発表後、国防大臣パール・ヨンソン(M)も明確な回答を控えめに行っています。彼もNATOのメンバーシップがこの問題を見直す要因になると述べていますが、「まだその段階には達していない」と述べています。
「これらの問題は私たちの国防政策と国際的な協力に影響を与えるため、慎重に検討する必要があると思います。」
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ちなみに、サーブ社は、ストックホルム平和研究所のデータによれば、2021年において世界で第34番目の大きさの軍事企業です。
またスウェーデンの軍事輸出額は2001年、2011年では、ロシア、イスラエルを抜き人口当たり世界で第1位となっています。
現在すでにスウェーデンは、英国と共同開発したNLAWと呼ばれる次世代軽量対戦車ミサイルを5000個、ウクライナに提供しており、ウクライナの善戦を支える武器の1つとなっています。
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