スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』を水曜社より商業出版(政府刊行物)して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

スウェーデン「ウクライナ軍の善戦を支える英国とスウェーデンの共同開発の対戦車ミサイル」

https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/FEBA/production/_125701256_5d2b4ac1b4bcfe52a06dcf08cc9b9d3abed76f12.jpg.webp

スウェーデンウクライナ軍の善戦を支える英国とスウェーデンの共同開発の対戦車ミサイル

 

6月30日のアメリカ週刊誌ニューズウィークによると、ウクライナの善戦を支えている兵器の中に、英国が供与したNLAWと呼ばれる次世代軽量対戦車ミサイルがあり、それが英国がスウェーデンと共同開発した兵器であると記されています。

 

ウクライナの善戦を支えている兵器の中に、英国が供与したNLAWと呼ばれる対戦車ミサイルがある。英国がスウェーデンと共同開発した兵器だ。

そのスウェーデンは5月、フィンランドとともにNATOへの加盟を決断した。後押しをしたのは英国。英国はNATO加盟の手続きが済むまでスウェーデンの安全を保障する共同宣言も発表した。条約など結ばずとも英国にとってスウェーデンはずっと前から同盟国なのである。

 

戦闘機には政治的側面があり、単なるシンボルでもない

またスウェーデン 福祉大国の深層で記していますが、スウェーデンの軍事企業サーブ社は戦闘機グリペンをはじめ、これまで多くの戦闘機を開発し輸出を行ってきています。

このニューズウィークの記事によると、戦闘機は単なるシンボルではなく政治的側面があるとも記されています。

 

戦闘機には政治的側面があり、単なるシンボルでもない

一般的に言って、戦闘機には他の装備には見られない政治的側面がある。

それは戦闘機がその国の守りのシンボルであり、その国の外交を体現しているということだ。例えば、日本が戦闘機を米国と共同開発しているのは、諸外国から見れば日本が米国の同盟国であることを象徴的に示している。

また、インドがロシア製、フランス製、英国製を混合で運用しているのは、伝統的な非同盟路線を踏襲している外交姿勢をうかがわせる。サウジアラビアが米国製と欧州製の両方の戦闘機を保有しているのは、米国と欧州の中間の立ち位置にあることをアピールするためである。

さらに、スウェーデンはこれまで自国の戦闘機をすべて自主開発してきており、それは軍事的非同盟をアピールするためだった。

事実、戦闘機は単なるシンボルではなく、関係の近い国同士でないと取引はできない。なぜなら、外国製の戦闘機を導入すると、兵士たちはその国から教育や訓練を受けなくてはならないし、整備に必要な情報や部品も常に提供を受けなくてはならない。それによって互いの関係が深まる効果が生まれる。

良い例がウクライナ戦争に対するインドの対応である。世界のほとんどの国がロシア非難の国連決議に賛成しているのに、大国のインドは棄権にまわった。それはインドがロシアから防衛の要となる装備の提供を受けてきたからである。このように防衛装備の取引は外交に大きな影響を与える。

つまり、日本が英国と戦闘機を共同開発することは、日本は米国だけでなく英国とも新しい同盟関係に入ったことを表明し、日本の安全保障外交が従来の米国一辺倒のものから変わりつつあるというメッセージを国の内外に発信することになるのである。

www.newsweekjapan.jp

 

6月30日のイギリス公共放送BBCによれば、イギリスは29日、ウクライナに10億ポンド(約1660億円)の追加軍事支援を行うと発表し、これによりイギリスのウクライナへの軍事支援は総額23億ポンド(約3800億円)となると報じられています。

 

イギリスは29日、ウクライナに10億ポンド(約1660億円)の追加軍事支援を行うと発表した。これによりイギリスのウクライナへの軍事支援は総額23億ポンド(約3800億円)となる。

イギリスはウクライナに15億ポンド(約2480億円)相当の人道・経済支援も行っている。

ボリス・ジョンソン英首相は、こうした拠出は「ウクライナの防衛体制を転換させるもの」だと述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先に、NATO加盟国に対し、ウクライナの防衛には月50億ドル(約6800億円)が必要だと訴えていた。

イギリスのウクライナへの拠出額はアメリカに次いで2番目に多い。アメリカは先月、400億ドル(約5兆4500億円)規模の支援パッケージを承認している。

www.bbc.com

軍事企業サーブ社、今年は昨年の売上高の3倍の受注残高

4月22日のブルームバーグでもサーブ社はすでにいくつかの同盟国に製品を販売しており、NATOへの加入により、デリケートな地域における契約競争が容易になると記されています。

SAAB shares hits highest level sine 2018 earlier this month [source Bloomberg]

Saab CEO Says Swedish NATO Entry Would Open Door to Inner Circle

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-04-22/saab-ceo-says-swedish-nato-entry-would-open-door-to-inner-circle

www.businesslive.co.za

6月3日の朝日新聞によれば、スウェーデンウクライナ追加軍事支援として対艦ミサイルなど提供すると報じています。

 

ストックホルム 2日 ロイター] - スウェーデンウクライナに追加の経済・軍事支援を行い、対艦ミサイル、ライフル、対戦車兵器などの軍事装備を提供すると、ダンベ財務相とフルトクビスト国防相が2日明らかにした。

 財務省は声明で「(議会に)提出された提案により、中央政府予算への割り当て資金は2022年に10億クローナ(1億0200万ドル)増加する」と指摘。

 「ウクライナとの連帯から、またロシアの行動に対する国際的な対応の一環として、政府はウクライナを引き続き支援する必要があると考えている」とした。

 スウェーデンは2月、対戦車兵器やヘルメット、防護服を含む軍事装備をウクライナに提供すると表明。3月にも対戦車兵器の追加供与を発表している。

www.asahi.com

7月8日のヤフーニュースによりますと、スウェーデンの軍事企業サーブは、スウェーデンNATOの加盟手続きが進むなか売上額昨年の3倍の受注高に達していると報じられています。

スウェーデン北大西洋条約機構NATO)加盟手続きが進んでいる。208年間にわたり中立国の地位を維持してきたスウェーデンNATOに加入することで、約30加盟国を強力な顧客として確保することになった企業がある。スウェーデン軍需企業SAAB(サーブ)だ。SAABは昨年の売上高が391億5400万クローナ(約4兆8000億ウォン、約5030億円)にのぼる世界的な軍需企業であり、現在、昨年の売上高の3倍の受注残高を確保している。

news.yahoo.co.jp

kon-51.hatenablog.com