スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』を水曜社より商業出版(政府刊行物)して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

スウェーデン「経済事情:コロナ渦の「カネ余り」で経済良好、コロナ後破綻の懸念」

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コロナ渦の「カネ余り」で経済良好、今後破綻の懸念

2019年12月8日に中華人民共和国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症ですが、いまだにその猛威を振るっています。

 

またコロナの影響で失業する人や、生計に大きな支障をきたす人も多くいます。

しかし反対にコロナ機危機下では金融市場はこれまで以上に活気があふれ、資産家はさらに富を増やしている状況を生んでいると、6月17日のNHKクローズアップ現代で報じられています。

 

スウェーデンでも同様なことが起きています。7月23日の公共テレビSVTによると、金を持つスウェーデン人の利益は過去14年間で最高であります。

 

コロナによって厳しい暮らしを余儀なくされる人々がいる一方、富裕層はカネ余りによる株高などの恩恵を受け、資産をさらに増やす傾向が顕著になっています。

 

kon-51.hatenablog.com

 

ただ8月25日の公共テレビSVTによれば、経済学の専門家がコロナ危機下に経済は良好であるものの、今後下落の懸念もあると報じられています。

 

スウェーデンと海外の両方で株式市場は列車のように動いていますが、成功の背後には主もに政府支援措置があります。 SVTの財務評論家は、補助金が減額された場合の状況が懸念されていると述べています。

 

SVTの財務評論家であるクリスティーナ・ラーガーストロム氏は、スウェーデン経済は驚くほど良好に見えると述べています。企業の利益は高く、夏の間にいくつかのコロナの影響を受けた産業が回復しました。

 

スウェーデン経済は全くありえなそうなほど良いように見えます

と財務評論家クリスティーナ・ラーガーストロム氏は語っています。


しかし財務評論家クリスティーナ・ラーガーストロム氏によれば、その理由は政府や中央銀行がさまざまな種類のコロナ支援債券購入の支援を通じて市場に資金を投入しているためであります。

 

ラーガーストロム氏は、

政府や中央銀行からの支援を今すぐ減らす必要があり、それが速すぎると経済がクラッシュする恐れがあります。もしくは遅すぎるとインフレ率が上昇し、金利が上昇してしまいます。

と語っています。

 

現在のコロナ渦により世界中でカネ余りの状況となり、不動産業など一部の業界での好景気となっています。その理由は中央銀行がカネを大量に発行し市場に投入したためであるため、コロナ後には慎重を期さないと経済が破綻する可能性があると指摘しています。

 

www.svt.se

経済を動かす「お金」とは?

今回のコロナ危機からも、経済の低迷を防ぐために中央銀行が大量に紙幣を発行したことが、金融市場におけるカネ余りの状況をうみ、反対に好景気を生み出したことがわかります。

 

それでは経済とは何なのでしょうか?

 

政府が国債を発行し中央銀行が大量に購入しカネを市場へ流せば経済はよくなるのでしょうか?

さらに現在、市場にあり余っているお金ですが、一体この「お金」とは何なのでしょう?

 

毎日のように使うお金ですが、なかなかお金とは何かをじっくりと考えることはないと思います。

(ここでは「お金」について細かく記しませんが、別の機会で記せればと考えています)

 

kon-51.hatenablog.com

 

ただスウェーデン 福祉大国の深層の中では、この「お金」とは何かという根本的な部分を再考現在の社会の基盤に根付いている利子制度中央銀行制度について記しています

 

本書をお読みになって下さった方で気づかれた方もいるかもしれませんが、本書はスウェーデンの実情をお伝えするだけの書籍ではなく現行の金融制度世界の構造について記した書籍です。

 

逆にそれを示すためスウェーデンの政治、経済、国防、歴史などの実例を利用して説明しています。

 

1つの例として、現在の株式制度オランダ東インド会社に由来し、スウェーデンにも東インド会社があったことはご存じでしょうか?

 

またスウェーデン中央銀行世界最古中央銀行であり、世界初の信用紙幣を発行していたこともあまり知られてはいません。

 

www.boj.or.jp

 

さらに日本の中央銀行である日本銀行が、東京証券取引所東証)が開設・運営する新興企業向け株式流通市場のジャスダックJASDAQに上場しているのも意外のはずです。

 

finance.yahoo.co.jp

 

本書ではスウェーデンの実情を記すだけでなく、スウェーデンの実例を通して現行の金融制度を示し、お金とは何かを再考し世界の構造を記しています。

 

そうした現在の経済を動かす現行の金融制度や世界の構造、お金の本質を理解すると、今世界で起きているコロナ渦のカネ余りによる金融市場の活況、コロナ後の景気後退の可能性の理由など多くの経済的事象も理解しやすくなるはずです。

 

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