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約4770億円の資金洗浄:4大銀行スウェーデン銀行の元CEOが起訴
1月4日のスウェーデン公共テレビSVTによると、経済犯罪当局は、スウェーデン銀行(スウェドバンク)元CEOビルギット・ボンネセンを起訴していると当局がプレスリリースに記したことを報じています。
起訴状内容は主に重大詐欺、次に重大な市場操作に関するものです。
経済犯罪局の最高検察官兼予備調査リーダーのトーマス・ラングロ氏は4日にCEOのビルギット・ボンネセンを起訴しました。
この犯罪は、銀行の元CEOが故意または重大な過失により、 一般市民または会社利害関係者間において、 エストニアにあるスウェドバンク事業でのマネーロンダリング疑惑防止、検出、防止、報告への銀行措置に関する誤解を招く情報を広めたことにある。
とプレスリリースでトーマス・ラングロ氏は語っています。
検察官によると、この犯罪行為は2018年10月23日から24日、2019年1月29日、および2019年2月20日に行われました。
「この情報は、金銭面において会社評価へ影響を与え、損害を引き起こすのに適しています。」
重大な詐欺に対する罰則は、最低6か月、最高6年の懲役であります。
ビルギット・ボンネセンの弁護士であるペア・E・サミュエルソン氏は、クライアントが重大な詐欺や内部情報の不正開示の告発について無実であると述べています。
4大銀行元CEOが起訴されるのはスウェーデン銀行史上初めてだとのことです。
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このウェーデン銀行の元CEOビルギット・ボンネセンが起訴される事件は、
スウェーデン 福祉大国の深層でも記しましたが、2019年に起きた欧州北部で広がるマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑に、スウェーデンの銀行スウェドバンクも関与していたことが発覚したことに端を発します。
2019年の経済金融情報を配信するアメリカのBloombergによれば、
欧州北部で広がるマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑に、スウェーデンの銀行スウェドバンクも飲み込まれつつある。
スウェドバンクの広報担当を務めるガブリエル・フランケ・ロダウ氏は、疑わしい取引があったことが判明し、警察に通報したと認めた。同行はバルト3国で最大の銀行。
これに先立ち、スウェーデン公共放送SVTはスウェドバンクの顧客約50人が2007年から15年に同行とデンマークのダンスケ銀行との間で約400億スウェーデン・クローナ(約4770億円)の資金を移動させていたと報じた。この顧客らは全員、「マネーロンダリングの疑いについて明らかな警戒信号」が発せられていたという。ロダウ氏はスウェドバンクとしてこれらの数字は「認識していない」と述べた。
これを受けて20日のストックホルム株式市場では、スウェドバンク株が一時8%安と急落。スウェドバンクはこれまでダンスケ銀を中心とする資金洗浄疑惑への関与を強く否定し、ビアギッテ・ボンネセン最高経営責任者(CEO)は経営陣が疑惑を調査したが関連は何も見当たらなかったと繰り返し述べていた。
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2019年2月にスウェーデン経済犯罪局は、内部情報の不正開示の疑いとしてスウェドバンクへの予備捜査が開始されました。
その後2019年3月にスウェドバンク銀行の総会でCEOビルギット・ボンネセンはCEO職から解雇されました。
2020年の春、ビルギット・ボンネセンは犯罪の疑いがあると通告されました。
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スウェーデン経済犯罪局は2020年末わりにの予備捜査を終了し、2021年初めビルギット・ボンネセンへ最終通知を送りましたが、この年に何度も起訴決定が延期されてきたのでした。
しかしスウェーデン経済犯罪局はとうとう2022年に、スウェーデン銀行(スウェドバンク)の元CEOビルギット・ボンネセンを起訴を決定したのでした。
一般的にスウェーデンでは不正や汚職がないイメージを持つ人も多いかもしれませんが、スウェドバンクがデンマークのダンスケ銀行との間で約400億クローナ(約4770億円)もの資金洗浄により元CEOが起訴される不正事件が発生していたのでした。
またスウェーデンではスウェドバンクのこの資金洗浄以外にも数多くの民間企業による大規模な不正事件が発生しています。詳しくお知りになりたい方はスウェーデン 福祉大国の深層お読みください。
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