
コロナ渦下で2021年第4四半期のGDPは6.2%増加
現在スウェーデンはコロナ規制がかかっています。しかしスウェーデン経済は予想よりも強く、コロナ規制は以前ほど悪影響を及ぼしていないようです。
1月28日のスウェーデン公共テレビSVTの記事では、スウェーデン統計局(SCB)の暫定GDP指標でスウェーデンはコロナ渦下で2021年第4四半期のGDPは前年と比べ6.2%増加していると報じています。
またこのGDP増加は予想以上に明らかに強く、当初のSEB銀行による経済学者の平均予測としては5.5%でした。さらに統計スウェーデン統計局(SCB)によれば、失業率も急激に低下しているとあります。
民間保険会社レーンフォショークリンガー(Länsförsäkringar)チーフエコノミストであるアレクサンドラ・ストロベリ氏によると、この強い経済成長はオミクロン株が当初心配されていたよりも経済に影響を与えなかったからだとのことです。
今回のコロナ規制が、前回のコロナ波の時と同じように経済に影響を与えていないことは明らかです。これはGDPだけでなく、わずかに低い失業率でも見られます。
とアレクサンドラ氏は述べています。
まだ落ち着かない株式市場
現在スウェーデン政府は、コロナ規制があと2週間で終了すると述べています。アレクサンドラ氏によれば、これにより経済をさらに押し上げるのではとのことです。
しかし、アレクサンドラ氏はGDP成長が株式市場の懸念を和らげるとは考えていません。
一般的にGDP成長は良いことですが、大きく株式市場に影響を与えるものではありません。現在、株式市場が懸念しているのは、地政学、治安情勢、インフレ、米連邦準備制度理事会からの利上げです。
と答えています。
現在、スウェーデンは、ガソリンや電気代の高騰によりインフレが押し上げられています。しかし一方で失業率が依然比較的高いため、賃金上昇圧力はそれほど高くありません。したがって、ほとんどのアナリストは、インフレは暖かな季節が来るにつれ低下すると考えています。
より広範なインフレへの圧力上昇のためには、さらに強力な労働市場が必要ですが、私たちはまだそこにいません。それがスウェーデンとアメリカの違いです。アメリカは対処すべき広いインフレ上昇をもっています。
とアレクサンドラ氏は述べています
強い12月
スウェーデンの商品やサービスの総生産のレベルである国内総生産(GDP)は、2021年の第4四半期はコロナ渦が発生する前の予測よりさらに高くなりました。
ノルディア銀行のチーフアナリストであるトルビョルン・イサクソン氏は、
言い換えれば、コロナ渦が発生しなかった場合よりも経済が強いと主張することができる。
とコメントで記しています。
GDPの上昇は四半期末にかけて増加し、12月だけでも年間成長率は7.0%でした。
予備計算によると、2021年通年の国内総生産(GDP)は2020年と比較して5.2%増加しました。
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実物経済と金融経済の乖離
スウェーデンでは現在コロナ規制がされており、企業ではリモート勤務が推奨、ソーシャルディスタンスも保ち、人込みにはいかないよう推奨されています。そのためコロナ渦以前ほどは人が街にはいませんし活気もありません。
しかし経済的視点からでは、コロナ渦でもスウェーデン経済は予想以上に好調であり、国内総生産(GDP)も伸びているとのことです。
何か実物経済と金融経済とでは大きな乖離があると感じてしまいます。
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