スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』が水曜社より商業出版して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

スウェーデン「賃貸住宅6年待ち!しかし過去14年間で最高の住宅販売利益で税収増加(税収: 約3818億円増)」

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コロナ渦中、富裕層による不動産投資

2019年12月8日に中華人民共和国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(コロナ)ですが、いまだにその猛威を振るっています。

 

またコロナの影響で失業する人や、生計に大きな支障をきたす人も多くいます。

しかし反対にコロナ機危機下では金融市場はこれまで以上に活気があふれ、資産家はさらに富を増やしている状況を生んでいます。

 

6月17日のNHKクローズアップ現代によりますと、

コロナ対策として各国が大規模な金融・財政政策を打ち出した結果、世界的な“カネ余り”が生じている。コロナによって厳しい暮らしを余儀なくされる人々がいる一方、富裕層はカネ余りによる株高などの恩恵を受け、資産をさらに増やす傾向が顕著に。

 

保里:経営に苦しむ、企業や商店。そして、厳しい暮らしを強いられる人々を金融面で支えようと、日本、アメリカ、そしてヨーロッパの中央銀行が行ったのが、大規模な金融緩和でした。

井上:市場に大量の資金を供給するため、国債などの資産を大量に購入。その結果、資産規模は合わせて2,600兆円に達し、史上空前の規模に膨れ上がっているのです。

保里:日経平均株価は、ことし2月には30年6か月ぶりに3万円を上回るなど、資産価格は上昇を続けてきました。

 

kon-51.hatenablog.com

 

記事の中で総資産が1,000億円をもち、拠点をロンドンに置くアフリカ屈指の大富豪・ダンジュマ一族がインタビューに答えています。

 

ダンジュマ一族のCOOであるジェントルズ氏によると、一族はファミリーオフィスをもち資産を増やすため、株式投資だけでなく、不動産や未上場企業への投資、さらに相続や税金の対策を手掛けています。

 

コロナ禍で観光客が減り、ホテル事業の収益こそ目標に届かなかったものの、株式投資を中心に成績は上々で、この1年も順調に資産を増やすことができたと語っています。

 

また記事の中で日本人の投資家もコロナ渦の中利益を得ている人もいます。

一方、株式市場の投資家の中には、先行きを懸念する声も出始めています。日本株を中心に投資を行っている、神野研さん。この1年余りで、1,000万円の資金を10倍以上に増やしました。

 

www.nhk.or.jp

過去14年間で最高の住宅販売利益で税収増加

これはイギリスや日本で起きていることではなく、スウェーデンでも同様なことが起きています。7月23日の公共テレビSVTによると、金を持つスウェーデン人の利益は過去14年間で最高であると報じています。

 

記事によれば、今年株式市場の好調により金を持つスウェーデン人は株式投資および資金節約を行い最高の年であり、今まで予想した中で大利が期待できます。その中でも住宅販売による利益が高く、最終的にその利益が国への税収増を生むと報じています。

 

スウェーデンの財務管理局によるとコロナ・パンデミックは株式市場は予想した以上に好調となり住宅価格も急騰キャピタルゲイン総額は14年ぶりの高水準となる見込みとのことです。

 

www.svt.se

記事によれば、コロナ渦中で多くのスウェーデン人が利益を得ている事は、国庫にとても大きな貢献しているとあります。

 

スウェーデン財務管理局副局長であるアンソフィーオベルグ氏によれば、

今年も税収は300億クローナ(約3818億円)増加すると予測しています。

パンデミック前の2019年と比較すると200億クローナ(約2545億円)の増加です。

 と語っています。

 

スウェーデンではコロナ渦中、住宅販売利益から過去14年で最高収益となり、この住宅販売利益により税収が300億クローナ(約3818億円)増加となると予想され国庫は潤っているのです。

 

住宅不足と税収増加

ただ現在のスウェーデンにおいて、住宅問題は非常に大きな問題であります。

 

kon-51.hatenablog.com 

著書『スウェーデン 福祉大国の深層』では詳しく記していますが、スウェーデンのアパート賃貸事情は日本と大きく異なり、非常にアパートを借りることが難しい状況となっています。日本では不動産屋へ行けば即時アパート賃貸契約を結ぶことが可能ですが、スウェーデンではアパート不足が長年続き、賃貸するまでに5,6年待つことはよくあります。

 

こうした賃貸住宅不足により新築アパートの価格高騰をうみ、首都圏ではアパート購入頭金として36万クローナ(約456万円)が必要であります。そして若者が都市部に住むためには、住宅ローンが少ない両親がおり、その両親の不動産を抵当に入れアパートを購入するケースが多いのです。

 

スウェーデンでは住宅問題が大きな問題です。こうした住宅問題の1つが発端となり、スウェーデンの歴史ではじめて首相が野党の不信任案で解任される事態も起きてしまったのです。

 

不動産経済学マッツ・ウィルヘルムソン教授によれば、スウェーデンで大きな住宅問題解決のため、現在様々な提案や議論なされていますが、すべて政治的に物議を醸しているとのことです。

 

都市部では日本では考えられないほど住宅難が長年続き、一般の国民は賃貸アパート約6年待ちであるためアパートの購入をせざる得ない状況となっています。しかし多くの人が住宅難に直面する中でも、コロナ渦中で富裕層が不動産購入を行うため、さらにアパート価格が高騰富裕層は大きな利益を得ています。またその住宅価格高騰により税収が増え、国庫も潤っているのです

 

不動産経済学マッツ・ウィルヘルムソン教授がいうように、一般国民が大きな住宅難に直面し、長年住宅問題解決の提案や議論されつつも、政治的に物議を醸し一向に住宅問題が解決しない理由も頷ける気がします。