スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』が水曜社より商業出版して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

スウェーデン「アパート賃貸に6年待ち!首相解任まで起こす住宅問題」

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先月6月中旬、左翼党がロベーン首相への支持をやめたことを受け、極右のスウェーデン民主党が不信任案を求めました。議会は21日、ロベーン首相の不信任案を賛成多数で可決し、同月28日ロベーン首相は首相を辞任することとなったのです。

 

これまでロベーン首相の少数与党政権は、左翼党と2つの小規模な中道右派政党からの支持に依存して政権を維持してきました。しかし新築アパートメントに関する家賃統制撤廃計画で左翼党と与党社民党で相違が起き、この首相の不信任案のきっかけとなったのです。

 

jp.reuters.com

 

著書『スウェーデン 福祉大国の深層』では細かく記していますが、スウェーデンのアパート賃貸事情は日本と大きく異なり、非常にアパートを借りることが難しい状況となっています。日本では不動産屋へ行けば即時アパート賃貸契約を結ぶことが可能ですが、スウェーデンではアパート不足が長年続き、賃貸するまでに5,6年待つことはよくあります。

 

6月5日の公共テレビSVTでも、ストックホルムのアパート事情について報じられています。記事によると2015年から2019年の4年間で、ストックホルム郡内で新しく建築されたスタジオ型アパートの平均購入価格は100万クローナ(約1200万円)から240万クローナ(約3030万円)へ上昇しました。

 

それというのは多くの人が都市圏へ流入してきましたが、アパート供給が限られていました。 そして都市にくる人々や若者が、財産権市場やアパートを購入するため価格が高騰しています

 

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また一般的なアパート購入の住宅ローンを組むためには、頭金として36万クローナ(約456万円)が必要です。

 

不動産経済学マッツ・ウィルヘルムソン教授によれば、こうした資金繰りを迫られる人たちは、両親の住宅ローンがすでにないストックホルム地域に住んでいる人々が多く、新しく建築されたアパートを購入するためには、両親の不動産を抵当に入れる必要があるとのことです。これが今日のスウェーデンの住宅市場に参入するために、重要なことであるとマッツ教授は語っています。

 

記事によれば、 近年、新築賃貸アパートのの平均家賃は安定していまが、賃貸契約できるまでには約6.3年間待つ必要があるとのことです。こうした住宅市場の格差を縮小し、建設のスピードを上げるため、現在様々な提案や議論なされていますが、すべて政治的に物議を醸しているとのことです。

  

www.svt.se

日本ではなかなか信じがたい話でありますが、スウェーデンの都市圏ではアパート賃貸をするために5,6年も待つ必要があり、即時入居できる住宅を見つけるにはアパート購入が一番手っ取り早い方法となります。

 

こうした賃貸住宅不足により新築アパートの価格高騰をうみ、首都圏ではアパート購入頭金として36万クローナ(約456万円)が必要であります。そして若者が都市部に住むためには、住宅ローンが少ない両親がおり、その両親の不動産を抵当に入れアパートを購入するケースが多いのです。

 

スウェーデンでは住宅問題が大きな問題です。こうした住宅問題の1つが発端となり、スウェーデンの歴史ではじめて首相が野党の不信任案で解任される事態までも起きてしまったのです。

(6月28日ロベーン首相は辞任したものの、7月9日再任し新政権を発足しています)

 

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