
スウェーデン「拉致事件:10年で1,000人以上が連れ去られ海外へ、18歳で強制結婚」
現在のスウェーデンは移民・難民が多い国となっています。
特にシリア内戦以降には、非常に多くの難民がスウェーデンにやってきているため、
街を歩くとヒジャブと呼ばれるスカーフで顔を覆っているイスラム教の女性もよくみられるようになりました。
そのため現在のスウェーデンでは異なった宗教が入り混じっているため、宗教による問題も数多く起きるようになってきています。
そして最近のスウェーデン公共テレビSVTでは、この数日スウェーデンから多くの子供が拉致され、他国に連れ去られる実態について、毎日のように記事が書かれ報じられています。
ハラさんの娘さんは父親に拉致 - 18歳になり結婚
2月13日のスウェーデン公共テレビSVTによると、2015年に15歳だった女の子が、元夫に誘拐され、
故郷のヨルダンに連れ去られ現在18歳になり結婚させられることになったと、
娘さんの母親サハさんがSVTのインタビューで答えています。
記事によると、母親ハラさんが最後に娘さんに会ったのは 2015 年 3 月であり、
元夫が娘さんを誘拐し故郷ヨルダンに連れ去る 2 週間前だったとのことです。
そして現在、ハラさんの娘さんが連れされられて8年近く経ったのでした。
元夫が娘さんを連れ去ったり理由としては、
スウェーデンでは娘が宗教的に十分に育てることができないと考えていたためです。
母親ハラさんによると、
現在、彼女はもうすぐ 18 歳になり、結婚させられようとしています。
その後、彼女を取り戻す可能性は全部なくなりました。
と絶望的に語っています。
弁護士と外務省の助けを借りて、娘さんを取り戻そうとしましたが、スウェーデンへの送還作業は遅れ、
実際、彼らは(スウェーデンの弁護士・外務省)は初めから娘を取り戻せないと言っていました。
とハラさんは語っています。
ハラさんは、娘さんを取り戻せないのは、ヨルダンでは1980年のハーグ条約が適用されず、
スウェーデンはヨルダンとの協力関係が結べていないためだと述べています。
ハーグ条約:
国境を越えた子どもの不法な連れ去りや留置をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして、子どもを元の居住国に返還するための手続や国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定めた条約
www.mofa.go.jp
ハラさんは、
ただもしスウェーデン当局がもっと早く行動していたら、私の娘を取り戻せたかもしれませんし、
誘拐を事前に食い止められたかもしれない。
とスウェーデンの社会サービスや学校が子供を保護できたはずだと語っています。
母親による早期の警告は当局に真剣に受け止められなかった
母親ハラさんの元夫は以前から、娘さんが「あまりにもスウェーデン的」に育つため、
娘をスウェーデンで育てたくないと話していました。
そのためハラさんは元夫が娘さんをヨルダンに連れて行くことを心配し、
2012 年に家庭裁判所、 2013 年の地方裁判所で申し立てを行っていました。
しかし、父親はこの調査中で、ヨルダンに連れていくことを否定していたため、
スウェーデン当局は元夫による拉致の危険性は低いと判断しました。
ただ地方裁判所は、海外旅行時には当局に通知しなければならず、
娘さんのパスポートは母親と一緒に保管しなければならないと決定しました、しかし父親はこれを拒否したことです。
にもかかわらず社会福祉局は、娘が当分の間父親と一緒に暮らすことを決定しました。
そのためハラさんは、申し立てが調査されている間、娘に会うことも許されませんでした。
そうした中、社会サービスによる調査の間、実際に娘さんは元夫によりヨルダンに連れ去られてしまったのでした。
ハラさんは、
私の 申し立てが調査されている間、スウェーデン当局は少なくとも娘を保護するべきだった。
と語っています。
子供の拉致事例は、過去 10 年間で数千人
SVTの記事によれば、スウェーデンにおいて子供の拉致事例は、過去 10 年間で数千人もいて、
ハラさんの娘さんが拉致された事例もその中の1人であるとのことです。
そして拉致され実際にスウェーデンに戻ってこれた子供は、3分の1にも満たないとのことです。
www.svt.se
国外へ連れ去られての強制結婚
現在のスウェーデンは多くの宗教が入り交じる社会となっています。
イスラム教の人々も多くなり、宗教的な観点から親が子供を連れ去る事例も多く発生してきています。
またこれに加え、未然に防ぐために当局に相談しても実際には援助が十分でなく
ハラさんの娘さんのように連れ去られてしまう事例が多く発生するようになっています。
そして海外へ連れ去られ強制結婚をさせられる女性も多くているのです。
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現在のスウェーデンの問題を表したドラマ『カリフェイト』
またスウェーデンドラマ「カリフェイト」がNetflexでも配信されており、
スウェーデンからイスラム国(IS)へ参加する人々、ISへの勧誘方法、ISの女性、テロ計画などの問題を表しています。
このドラマの中でも、娘さんの父親が娘さんがテロ組織ISに加わるくらいならば、
「ヨルダンに連れていき結婚させるぞ」と語っています。
また現在、スウェーデンではテロ発生の警戒が治安警察により出されていますが、
このドラマでは、スウェーデンにおけるテロ発生までの模様も描かれています。
フィクションドラマではありますが、現在スウェーデンで起きている問題を知るにはよいドラマです。
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