
ホームレスは日本の104倍以上、ホームレス問題の長期的解決策の欠如が指摘
スウェーデンというと福祉国家のイメージがあり、ホームレスなどいないと考えている人もいいかもしれません。しかし近年のスウェーデンでは街中で非常に多くのホームレスを街中でみかけます。
多くのホームレスは街にあるスーパーの前や路上で物乞いしていますが、最近は手法も変わり雑誌のようなものを売る人たちも見かけるようになりました。
噂ではありますがこうしたホームレスの一部はスウェーデンにいるギャングに従ってお金を上納している者もいるとのことです。
そうしたスウェーデンに多くなってきたホームレスですが、12月1日のスウェーデン公共テレビSVTで、スウェーデンにおけるホームレス問題について言及がされています。
www.svt.se
記事によれば、ほとんどの自治体がホームレス数を把握しておらず、ホームレス問題を解決するための長期的な取り組みが不足していると報じられています。
記事にある状況は、人道的社会構築するために活動組織「ストックホルム・シティミッション」が発表した12月1日にレポートに基づいています。
Sverige Stadsmissioner『HEMLÖS 2021』
https://www.stadsmissionen.se/sites/default/files/2021-11/Stadsmissionen_Hemlos2021_webb_tillganglig.pdf
「ストックホルム・シティミッション」のレポートによると、17の自治体における調査され、自治体におけるいくつかの欠点が指摘されています。
また大きな問題の1つに、全国規模でのホームレス問題に対する政策が欠如していると挙げられています。
そのため「ストックホルム・シティミッション」は、政府と議会政党がホームレス問題を解決するための提案を提出し、政府が国家戦略を検討することを希望しています。
しかし17の自治体を調査により、実態把握に対しての作業が散在し構造的にホームレス問題を解決するのに十分な努力されていないとのことです。
厳しい現実として適切な支援を受けるためには自治体の協力が重要であります。しかしスウェーデンではそうではありません。支援を受ける機会は等しくなければなりません。自治体がホームレス問題を解決するためには、今政治が行動する必要があります。
と「ストックホルム・シティミッション」のスポークスマン・オーサ・パブロン氏は述べています。
また2017年の社会庁の調査によると、スウェーデンでは少なくとも3万3,000人のホームレスがおり、2011年の調査と比べて多いとのことです。
しかし調査に回答した自治体は少なく、「ストックホルム・シティミッション」は実際にはさらにホームレス数が多いことを危惧しています。
また資料化されていない者やEU市民はこの統計に含まれておらず、すべての自治体がホームレス実態を把握しているわけではなく、統計方法も異なっています。
ただマルメ市とストックホルム市の両方においては2020年でのホームレスが減少したと報じています。
「ストックホルム・シティミッション」によれば「住宅ファースト」は成功しているとのありますが、すべての自治体で十分に活用されているわけではありません。
現在、非常に多くのホームレスがいるものの、自治体による実態把握があまりされていないため、長期的解決方法が欠如しているとこのSVTの記事では報じています。
ちなみに2021年1月時点での日本のホームレス数は3,824人です。
そのためスウェーデンにおけるホームレス数は人口当たりにすると日本の約104倍以上多いことになります。
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