性犯罪者が『性的不眠症』を主張し無罪判決
スウェーデンでは近年多くの事件が多発し増加しています。その大きな問題の1つにレイプ犯罪の増加があります。
スウェーデン全国犯罪防止評議会(Brå)によれば、2020年のレイプ数は2019年と比べ9%増加し、9,360件のレイプ数が報告されています。2020年における強制性交等の認知数は警察庁によると1332件であるため、人口当たりではスウェーデンのほうが日本より86倍以上強姦事件の発生数が高いことになります。
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こうした性犯罪が増加するスウェーデンですが、5月7日の新聞SvDによれば、25代の男性はレイプ罪の疑いで2018年に懲役2年の求刑を受けていましたが、男性は睡眠障害である性的不眠症と主張し、地方裁判所と控訴裁判所の両方で無罪判決を受けましたと記されています。
男性の新しい証拠:睡眠障害である性的不眠症と診断
パーティーの夜、男と女は隣同士で寝ていました。女性が目を覚ましたとき、女性は男性が夜中に彼女をレイプしたと主張しました。技術的な証拠から男性が眠ている女性と性交したと導き出しています。
しかし、男性はこれまで否定し続け、事件について何も覚えていないと主張してきました。
男性は2018年に懲役2年の刑を言い渡されました。しかしそれ以来、男性はヨーテボリのサールグレンスカ大学病院の睡眠研究者によって「性的不眠症」と呼ばれる異常な睡眠障害と診断されました。それは精神医学的診断です。性的不眠症の人は、睡眠中に性行為を行います。それは眠りにつくことと比較することができます。
この診断結果は、最高裁判所が男性の勃起を認める根拠となりました。そして今、裁判が終わり、男性は無罪となりました。
スウェーデンでは、睡眠中に性行為を行った人々が同じ理由で釈放されたという事例が過去にもいくつかあります。
女性の原告助手であるマーディン・パカス氏は、(被害者の)女性は判決に失望していると言い、それは不公平だと考えている。
したがって、彼女は問題の行為(性的不眠症)により(加害者の)男性が睡眠中行ったとは信じていません
とマーディン・パーカス氏は述べています。
www.svd.se
記事から被害者の女性は納得しておらず判決に失望していると答えています。
しかしこうした性的不眠症を主張するレイプ犯罪容疑者はこの25歳の男性だけではありません。
8月27日のヨーテボリ新聞によりますと、30人の性犯罪者が性的不眠症を主張していると報じています。
睡眠中のレイプの自由 - ここ(新聞内の記事)に性的不眠症を主張した30人の男性全員が載っています
スウェーデンではますます多くの性犯罪者が睡眠中に虐待を犯したと主張している、とヨーテボリ新聞のレビューは示しています。 2017年以降、まれである性的不眠症の診断を主張している男性が30人ここ(新聞内の記事)にいます。
www.gp.se
さらに8月28日のヨーテボリ新聞によれば、レイプ被害者が加害者の性的不眠症主張により、加害者の男性へ15万クローナ(約191万円)の支払い戻しを余儀なくされたと報じています。
被害者女性であるアンナさんは男性にレイプをされ、男性は懲役刑をうけ刑務所へ送られました。しかし3年後に男性が睡眠中にした行為である主張した後、判決が覆されました。
そのため加害者の男性がアンナさんに支払った15万クローナ(約191万円)の慰謝料を払い戻す必要となっています。
被害者のアンナさんは、
(この性犯罪に)犯人はいないそうです。 しかし彼ら(裁判所)は被害者がいることを忘れている
ヨーテボリ新聞に語っています。
www.gp.se
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5人に1人の被害者女性が警察への届け出を後悔
9月1日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、5人に1人の女性が警察への報告を後悔していると報じています。
調査を行った支援団体ストーラシスターの事務局長セシリア・ボッドカー・ペダーセン氏は、
多くの捜査は終了もしくは遅延しています。 弱い立場の多くの人たちは、警察の報告をする前に自分たちが問題を作り上げたと感じており、警察へ報告するまでに数ヶ月かかります。
(被害者女性が)このように感じるのは情報不足にあります。 ほとんどの場合ではそれは逐語的な状況であり、裏付けとなる証拠はめったにありません。そのため捜査が難しいです。 しかし我々(支援団体)がこのことをここ(記事内で)説明することが重要です。
と語っています。
www.svt.se
2017年5月25日のニューズウィークではスウェーデンや日本の強姦事件の発生率について、
スウェーデンが58.5と飛び抜けて高く、日本が最も低い。意外というか、強姦事件が多発しているイメージがあるインドも、日本と同じくらい低くなっている。
しかし、この統計を額面通りに受け取ることはできない。これは警察に被害届が出され、公的に認知されて記録された事件の数だ。被害に遭っても、恐怖心や羞恥心などから警察に届け出ない女性もいる。公にならずに闇に葬られた事件はかなりあるだろう。いわゆる「暗数」という実態だ。日本やインドでは、それが特に多いと考えられる。
2012年1月に法務総合研究所が実施した犯罪被害調査によると、16歳以上の女性の強姦被害経験率(過去5年間)は0.27%で、同年齢の女性人口にこの比率を乗じると15万3438人となる。これは実際の被害女性の推計数だが、2007~2011年の5年間に認知された強姦事件数(7257件)よりはるかに多い。
スウェーデンでは強姦事件の発生率(正確には認知率)が飛び抜けて高い。女性が被害届を出しやすい環境が整っているのだろう。
と記しています。
ただ9月1日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、5人に1人の女性が警察への報告を後悔していると記されています。
さらに性犯罪者が『性的不眠症』主張し無罪を勝ち取り、中には判決が覆ったことにより、被害者が慰謝料を加害者に支払い戻す事例もでてきています。
2008年の法務総合研究所の第2回犯罪被害実態(暗数)調査には、性的犯罪の暗数を調査するため各国で行われた個人性的被害アンケート結果が記されています。
仮に各国の公式資料による性犯罪統計が氷山の一角であると仮定した場合、このアンケート結果を使い日本とスウェーデンと比べると、性的暴行があったと答えた人は日本2.5%、スウェーデン5.7%であるため、スウェーデンのほうが日本より性的暴行の被害が2.28倍多いこともわかります。
(性的犯罪の暗数による調査からも日本はほぼ全ての欧米諸国より低い性的暴行の被害率です)
https://www.moj.go.jp/content/000049671.pdf
www.newsweekjapan.jp
出生地により異なるレイプ犯罪率
最近だされた防犯協議会(Brå)からの調査から、外国生まれとその子供たちは、スウェーデン生まれの両親を持つスウェーデン生まれの子供よりも、犯罪の疑いがある可能性が2.5〜3倍高いと報告されました。
レイプ犯罪に関しては、外国生まれの人でレイプ疑惑があるのは、スウェーデン生まれの両親をもつ国内生まれ人のほぼ3倍と報告されています。
この防犯協議会(Brå)の報告書から、レイプ犯罪と両親及び子供の出生地により犯罪率に差が生じていることが明らかとなりました。(詳細は別の機会に記します)
レイプ犯罪増加が外国生まれの人に多いことから、政府のすすめる移民政策と近年のレイプ犯数の急増には関連があると考えられます。
www.svt.se
Brå『Ny Bråstudie: Misstänkta för brott bland personer med inrikes respektive utrikes bakgrund』25 augusti, 2021
https://www.bra.se/om-bra/nytt-fran-bra/arkiv/press/2021-08-25-ny-brastudie-misstankta-for-brott-bland-personer-med-inrikes-respektive-utrikes-bakgrund.html
現在のスウェーデンでは移民難民が急増しています。防犯協議会(Brå)の調査結果から外国人生まれによるレイプ犯が3倍もスウェーデン生まれより多いことが判明しました。
また一見、女性が被害届を出しやすい環境であるようなスウェーデンでも、SVTの記事から現実的になかなか警察への被害届が出しずらい女性もいます。
仮に裁判となっても性的不眠症として無罪となる事例も出てきて、中には慰謝料の支払い戻しまで起きています。
ただこうした性的被害は女性だけに起きている問題ではないのかもしれません。
6月24日のクローズアップ現代では、「あなたはひとりじゃない~性被害に遭った男性たちへ~」として男性の性被害について語られ、番組がアンケート調査によれば250人以上が声を寄せ、被害者の約7割は誰にも相談できずに孤立していたとのことです。
www.nhk.or.jp
性犯罪は長い将来にわたり被害者の心に大きな傷を残す大きな犯罪です。本来救済されるべき被害者が泣き寝入りなどせず、安心して暮らせる社会になってほしいものです。
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