スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』を水曜社より商業出版(政府刊行物)して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

スウェーデン「蔓延する麻薬と警察情報漏えい」

https://images.unsplash.com/photo-1600068497303-aaa2a264f0d9?ixid=MnwxMjA3fDB8MHxwaG90by1wYWdlfHx8fGVufDB8fHx8&ixlib=rb-1.2.1&auto=format&fit=crop&w=926&q=80

蔓延する麻薬と増加する麻薬犯罪

現在のスウェーデンでは毎日のように拳銃事件が発生しており、その事件の多くは犯罪者集団(ギャング)メンバーが関わっていることが多くあります。

 

2019年のヨーテボリ新聞によれば、日本人にはなかなか信じにくい話ですが、子供にお菓子を売るキャンディ店「4ゴッド」が、組織犯罪(ギャング)に関係していると警察と自治体から指摘されています。

 

www.gp.se

www.gp.se

また拳銃事件だけでなく、麻薬の蔓延もスウェーデンでは大きな問題です。

 

2014年のJPPressによると、

ケアセンター入院患者の4人に1人が薬物中毒

 

ストックホルムの薬物依存青少年のケアセンターであるマリア・ウングドム救急部に、大麻の中毒により入院する若者の割合が近年増加している。

 

大麻やスパイス大麻の合成バージョン)による入院者は、現在約23%4人に1人弱である。5年前はアルコールによる治療者は85.5%で、大麻使用による者はわずか15%だった。この数年でアルコール依存者と薬物依存者の割合が大きく変化しているわけだ。

  

jbpress.ismedia.jp 

2019年のフォーブスジャパンでは、

スウェーデンで、コカインの使用と死亡事例が急増していることが、最近発表された調査結果により判明した。

スウェーデン国営放送のSVTが今月伝えた調査結果によると、同国では近年、依存性が非常に高い麻薬であるコカインの流通量が増え、価格は下がり、純度は向上。警察と税関によるコカイン押収量も増加している。

警察による麻薬摘発は2012年以降、ほぼ3倍に増加し、税関による発見数も同じく増加傾向にある。スウェーデン税関は2018年、485kgのコカインを押収。うち2件の事例では、一度にそれぞれ298kgと98kgが押収された。

 

forbesjapan.com

 

東京税関も2019年にスウェーデン人男性による覚醒剤密輸入事件を摘発と記しています。

【東京税関】スウェーデン人男性による覚醒剤密輸入事件を摘発(令和元年12月27日発表)

 東京税関成田税関支署と千葉県成田国際空港警察署は、令和元年12月14日、ドイツ連邦共和国から入国したスウェーデン人男性が、覚醒剤を密輸入しようとしたところを発見・摘発して、関税法違反、覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕し、同月15日、身柄を千葉地方検察庁に送致した。
 被疑者は、令和元年12月14日、ドイツ連邦共和国からスイス連邦を経由して成田国際空港に入国した際、スーツケース側面に隠匿した覚醒剤約1.8キログラムを密輸入しようとしたが、税関検査において、発見・摘発されたものである。

  

www.customs.go.jp

 

麻薬取引と警察官の汚職

8月19日の公共テレビSVTによると、スウェーデンでは多くの麻薬が流入し、税関では記録的な押収量となっていますが、麻薬取引は儲かるためヨーロッパでは汚職が蔓延し、スウェーデンもこれから免れられないと報じています。

 

記事の中では麻薬取締警察官でありスウェーデン麻薬取締警察協会長のレナート・カールソン氏は、

(ヨーロッパの警察で)汚職があることは明らかです

と語っています。

 

ユーロポール(欧州刑事警察機構)によれば、ヨーロッパの麻薬市場は少なくとも年間3,000億クローネ(約3兆7462億円)であり、ヨーロッパの大規模な港では、税関職員に100万クローナ(約1248万円)を渡しコンテナが検査なしで通過しているとあります。

 

スウェーデン麻薬警察協会会長レナート・カールソン氏は、

(ヨーロッパの警察で)汚職があることは明らかです。明確にあります。

汚職は増加していると感じていますが、他国と比較し微視的なレベルであることを知っておく必要があります。

ただこうした状況は少し心配です。

語っています


他の組織に忠誠を誓う警察官と情報漏えい

スウェーデン麻薬警察協会会長レナート・カールソン氏によると、

メキシコでは警察が汚職と麻薬カルテルへの繋がりをもち、組織犯罪に代わり殺人や失踪事件の背後にある事実が人権団体により毎年文書化されています。しかしスウェーデンはメキシコでの状況とはかけ離れているそうです。

 

ただレナート・カールソン氏はスウェーデンの警察も麻薬取引の影響を受けているとし、

確かなことがある。少人数でしか話されない特定の話や慎重を期する問題に関する話があります。しかし情報が警察活動からも漏れていることがわかっています。

と述べています。

 

またスウェーデン警察で汚職があるかという質問に対し、

まあー、汚職ではないですが、警察組織以外の他の組織へも忠誠心を持つ者(警察官)がいるようです。

スウェーデン麻薬警察協会会長 レナート・カールソン氏は語っています。

 

この公共テレビSVTの記事では、現在のメキシコ警察ほどではないにしろ、スウェーデン警察も麻薬取引により影響を受けていることを記しています。

 

www.svt.se 

kon-51.hatenablog.com