スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』を水曜社より商業出版(政府刊行物)して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

ノルウェー「ビキニ問題: ビーチハンド選手ビキニ着用拒否による罰金」

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ビーチバレーは1996年のアトランタオリンピックよりオリンピックの正式種目となり、現在は人気スポーツとなりました。

 

スウェーデンヨーテボリ市では、世界最大の室内ビーチバレー施設もあり、ビーチバレーをしたことがない人でも気軽にプレーできるようになっています。

 

東京オリンピックからサーフィンも正式種目に加わり、マリン系やビーチ系のスポーツが人気となってきています。

 

ビーチハンドボールはオリンピック種目ではないものの、2018年ブエノスアイレスユースオリンピックでは、ビーチハンドボールが正式採用されました。これからさらに人気の出てきそうなスポーツです。

 

そうした中、ノルウェーのビーチハンドボールでは女子選手のビキニ着用に関して物議を醸しています。

 

ビーチハンドボールでは男子が短パンの着用を認められていますが、女子は側面の生地の幅が最大10センチまでで、脚の付け根に向かって切り込んだ形のぴったりとしたビキニパンツを着用しなければならないと定められています。

これが物議の始まりとなりました。

 

7月21日のフランス通信社AFPによると、

ノルウェーのビーチハンドボール女子代表が、短パンで競技して罰金を科されたことに対して、同国の関係者が20日、この対応を痛烈に批判した。


 この問題では、ノルウェーのビーチハンドボール女子代表が、欧州選手権(EHF Beach Handball EURO 2021)の試合に短パンで出場したことに対し、国際ハンドボール連盟(IHF)の懲罰委員会が19日、1人あたり150ユーロ(約1万9400円)、チーム合計で1500ユーロ(約19万4000円)の罰金を科していた


これに対して、ノルウェーハンドボール連盟(NHF)のエイリク・ソルダル(Eirik Sordahl)会長は、国営テレビ・ラジオNRKで「2021年に、こんなことは話題にするべきですらない」と話した。


 同国のアビド・ラジャ(Abid Raja)文化・平等相も、罰金処分について「完全にばかげている。国際スポーツのマッチョで保守的な世界は変える必要がある」とツイッターTwitter)でつぶやいた。

 とあります。

 

www.afpbb.com

 

8月11日の公共テレビSVTによれば、スポーツにおける女性アスリートの権利のために活動している7つの連盟が、国際ハンドボール連盟(IHF)と欧州ハンドボール連盟(EHF)に手紙を送り、IHFのハッサン・ムスタファ会長とEHFのマイケル・ウィーデラー会長の辞任を要求しているとまで報じています。

 

www.svt.se

7月30日のSVTによるとスウェーデンのアマンダ・リンド 文化民主大臣はこのビキニ着用強制に激怒していると報じ、欧州ハンドボール連盟(EHF)理事会メンバーのステファン・ロブグレン氏は、すでに昨年欧州ハンドボール連盟(EHF)は選手にビキニ以外を着ることを許可したが、国際ハンドボール連盟(IHF)は拒否したと語っています。

 

現在ノルウェーは規則変更への動議を提出し、欧州ハンドボール連盟(EHF)としては数か月以内に対処する予定です。さらにスウェーデンデンマーク、オランダもこれに続いているとステファン・ロブグレン氏は語っています。

 

www.svt.se

 

現在ビーチバレーでは2012年以降ビキニが強制ではなくなっていますが、ビーチハンドボールでは女子選手のビキニ着用が強制となっています。

 

そこでノルウェーハンドボール連盟は2006年から、ビキニ着用について国際ハンドボール連盟に異議を申し立ててきましたが何の対応もなく欧州選手権の試合で女子選手が短パンで出場したことに対し、国際ハンドボール連盟(IHF)が罰金を科していたことにより大きな問題と発展したようです。

 

北欧では女性の権利や保護が日本より強くあります。そのためにスウェーデンでもノルウェーでのこのビキニ着用強制問題が取り上げられています。

この問題を受けビーチハンドボールもビーチバレーのようにビキニ着用が強制ではなくなるのかもしれません。