
女性初の首相誕生か?
スウェーデンの政権は連立政権であるため、社会民主労働党は与党ではありますが、野党である左党、中央党、環境党の協力がないと政権を樹立することができませんでした。
しかし左党は年金の増額を要求しており、この要求がなかなか通らず左党がマグダレーナ・アンダーソン党首が新首相となる事への合意をしていませんでした。
しかし11月24日のスウェーデン公共テレビSVTによると、与党社会民主労働党のマグダレーナ・アンデション氏党首が24日に首相に選出されたと報じています。
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スウェーデン議会には349人の国会議員がいます。そのうちマグダレーナ・アンデション氏が首相になる事に反対したのは過半数より1人少ない174人であったためマグダレーナ・アンデション氏は首相として選出されることができました。
ちょうどギリギリ票数での可決でありましたが、マグダレーナ・アンデション氏は新首相として議会で可決されスウェーデンで34番目の首相となると報じられたのでした。

スウェーデンの政党議数
Members and parties - Riksdagen
日本人には意外と感じる人もいるかもしれませんが、これまでスウェーデンでは女性首相は誕生していませんでした。そのためこの首相可決によりマグダレーナ・アンデション氏はスウェーデンで初の女性首相となるのでした。
SVTの記事ではマグダレーナ・アンデション氏は、
私がスウェーデン初の女性首相に選ばれることが、、我が国の女性にとってどのような意味をもつものなのか知っています。
と述べています。
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つかの間の首相就任劇:新首相選出8時間後、アンデション氏は首相辞退
しかし現在連立政権であるスウェーデンではそう簡単には新しい首相は誕生することにはなりませんでした。
11月24日18時のSVTの記事によると、中央党、左党、環境党の協力でマグダレーナ・アンデション氏は首相として可決されたものの、その後の予算案で環境党が政府予算案に同意せず、環境党が連立政権から降りるという事態となってしまったのでした。これはマグダレーナ・アンデション氏が首相可決してからほんの8時間後のできごとです。
そのためマグダレーナ・アンデション氏は首相可決からほんの8時間後に首相の座を辞退するという事態になってしまったのでした。
「現在誰がスウェーデンを率いるのですか?」という外国人記者からの質問に対して、 マグダレーナ・アンデション氏は、
私は首相に就任していませんでした。そのため暫定政府の首相であるのはまだステファン・ロベーン氏です。
と答えています。
SVTの記事は
おそらくこれまでのスウェーデンの政治の中で最も奇妙な日である
と報じています。
しかしまだマグダレーナ・アンデション氏が首相になれないというわけではありません。今後の展開で再度マグダレーナ・アンデション氏に指名される可能性も高くあります。現在のスウェーデン連立政権の不安定さを物語る首相就任劇であります。
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