世界各国の核のゴミ問題
日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという方針を打ち出しています。
現在日本が排出しているCO2の40%は電気を作るときのものなので、CO2を出さないような発電方法にしていこうと火力発電の見直しを進めています。
そうした中にCO2フリー電源の代表格は再生可能エネルギーです。しかし再生可能エネルギーだけで、2050年にすべての電気を賄うというのは現実的ではないとの見方もあります。
そこで発電の時にCO2を出さない原発も選択肢の1つというのが現在の政府の考え方であります。しかし問題となるのが、核のゴミ処理問題です。
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放射性物質の種類によって違いはありますが、高レベル廃棄物も1000年ぐらいたつと大体99%ぐらい放射能はなくなるといわれています。
しかしそれではまだ最終的に安全とは言えないため、天然のウラン並みの放射能になるためにかかる「数万年」にさらに余裕を加え、10万年は隔離しなくてはならないともいわれています。
しかしこれほど厄介な廃棄物を最終的にどこに処分するかが今まだに決まっていません。
オスカーシュハムン市が政府による中間貯蔵施設の拡張決定へ痛烈批判
日本の核のゴミ処理問題に対して、海外ではどのように「核のゴミ」の処分を行っているの参考として、北欧諸国が参考として挙げられることがあります。
世界で唯一、処分場の建設を始めている国がフィンランドであります。スウェーデンでは、確な場所は決まっていませんが建設はすでに決まっています。
しかし反対意見がないわけではなく、スウェーデンでも核のゴミ処理はいまだ大きな問題です。
8月26日の公共テレビでは、オスカーシュハムン市の中間貯蔵施設の容量を拡張するという政府の決定に自治体が痛烈に批判していると報じています。
www.svt.se
記事によると、オスカーシュハムンの市議会のアンドレアス・アーランドソン議長は
事前に情報はありませんでした。嘆かわしいことであり大臣はそうすべきではないです。
ニュースメディア(TT)からのニュース速報で知りました。40年以上にわたり大きな国家責任を負い、スウェーデンでの使用済み放射性廃棄物をすべて管理してきた自治体に対して、政府が制圧をすることを選択したのは歴史的な決定であります。
大変にがっかりしました。
と語っています。
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オスカーシュハムン市での放射性廃棄物の中間貯蔵への許可は1978年に決定されました。しかしアーランドソン議長によれば、それが最終的な放射性廃棄物貯蔵施設ではないことは明示されていましたが、施設の容量拡張が1998年後半に決定されました。
アーランドソン議長は、
1998年に施設の拡張されたたとき、最終的な貯蔵施設に関する解決策がない場合でも、中間貯蔵施設拡張に同意するとは決して言っていない
と語りっています。
また専門家により承認された解決策があるにもかかわらず、政府がその決定を下さなかったのか理解するのは難しいと感じており、決定文書に記されていない事が実施されたと政府に問いただしても、政府は返答をしないと批判をしています。
最後にアーランドソン議長は、
この問題を解決するために必要な手段を探し、最終的な放射能貯蔵施設を決定に対して全力を尽くします
と述べています。
自治体との同意を破ってまで、放射能中間貯蔵施設の容量拡張を断行する政府に対し、オスカーシュハムン市のアーランドソン議長は政府を痛烈に批判しているのです。
この記事から放射性廃棄物処理はスウェーデンでも日本と同様に今も大きな問題であることがわかります。
www2.rwmc.or.jp
使用済燃料の発生と貯蔵(処分前管理)
スウェーデンにおいて高レベル放射性廃棄物として処分される使用済燃料は、主に国内4カ所にある原子力発電所から発生しています。使用済燃料は各発電所で冷却(炉取り出し後約1年間)した後、SKB社が操業する「集中中間貯蔵施設」(CLAB)に輸送し、地下30メートルに設けられたプールで貯蔵されています。使用済燃料の輸送は、SKB社が自社の専用船で行っています。CLABにおける2016年末の貯蔵量は6,266トン(ウラン量換算)です。
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