スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』を水曜社より商業出版(政府刊行物)して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

北欧諸国より桁違い、急増する死者数

 

本日のスウェーデン感染者状況

本日におけるスウェーデンの感染者総数は18,177人、死亡者2,192人、100万人あたりで感染者は1,800人、死亡者は217人になっています。 

日本の感染者数が12,829人、死亡者345人、100万人あたりで感染者は101人、死亡者は3人です。 

スウェーデンにおける人口あたりの死亡数は72倍以上も日本より高いことになります。 

北欧諸国と比較して桁違いに多い、急増する死者数

スウェーデンは世界でも唯一というほどコロナ対策や規制を行っていない国です。統計サイトワールドメータズによると、回復者数、死亡者数による死亡者率では本日79.64%にもなっています。
4月17日のイギリスの新聞インデペンデント紙に、スウェーデンの死亡者数が規制を行う他の北欧諸国と比べても桁違いに高いことが記されています。
アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学によると、人口が1,000万人ほどしかいないスウェーデンにおいて、コロナ感染者数は4月17日において13,216人のコロナ感染者が確認されており、1,400人もの死亡者数となっている。近隣の北欧諸国の死亡者数合計さえも上回っていると報じています。

デンマーク(321人)、ノルウェー(152人)、フィンランド(75人)(4月17日時点) 

www.independent.co.uk

ただイエテボリ大学の数学統計学のオレハグストロム教授は、
「スウェーデンのコロナ戦略に危惧することはわかるが、その戦略が長期的に間違っていることは誰にもわからない。スウェーデン当局は社会に厳しい規制をすると、長期的に規制が不可能だからだ。たとえばマラソンを考えてみてくれ」、「スウェーデンにとってこのコロナ戦略が良いのかわからないが、スウェーデンが各国が違った戦略をとることで各国が比較する機会があることは、世界にとって良いことだ」とスウェーデン独自のコロナ戦略が、他国に比較検証する機会を与えていると語っています。

 

またカロリンスカ研究所の疫学者カリーナキング教授はスウェーデンの戦略が「文化的規範」に由来しており、スウェーデン人は勧告に従い当局を信頼するためだと話しています。

ただこれは本当なのでしょうか?
4月19日の新聞アフトンブロデットによれば、多くの人たちがストックホルムへ夜中にパーティをしにくり出していると報道されています。さらに携帯通信会社テリアの個人携帯追跡から、ストックホルムへ出かける人たちが、2週間前より数万人以上増加していると報じられています。  

 

オックスフォード大学科学オンライン出版紙アワー・ワールド・イン・データの最新統計データによれば、スウェーデンでの死亡者数がよりいっそう他の北欧諸国を引き離し増大していることがわかります。

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Our World In Data 北欧の死者数比較(4月25日時点)

 

 

イエテボリ大学の数学統計学のオレハグストロム教授はこのコロナ危機をマラソンに例えています。しかし死亡者数が毎日のように急増している状況の中、マラソンから途中リタイヤしてしまう可能性はないのでしょうか? 


ただスウェーデンの学者の中でも、イエテボリー大学疫学のボ・ルンドバック教授などは、スウェーデンのコロナ戦略に怒りを表し、当局は感染が国に広がると信じておらず「愚か」だとスウェーデン当局を非難しています。しかしこうした政策非難する学者の声は政府にあまり届きません。そのため正当な理論や根拠もないにもかかわらずコロナ規制がされず、現在毎日死亡者が急増している状況となっています。