
9月5日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、ISにいたスウェーデン人女性や子供たちがスウェーデンへ帰国してくると報じていました。
IS女性らはクルド自治から追放された最初の3人のスウェーデン人女性であり、6日にトルコからスウェーデンへ向かいました。
帰国後IS女性たちは警察に引き渡され戦争犯罪について調査されていました。
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9月19日のスウェーデン公共テレビSVTによると、ISの女性は取り調べの後に釈放されたと報じられています。
記事によると
1人目のIS女性はヨーテボリ市出身であり、大量虐殺、人道に対する罪、戦争犯罪の疑いがあります。彼女はシリアで何年もおり、現在スウェーデンに戻り、その子供たちは保護されています。
2人目のIS女性は、スウェーデン西部の自治体の女性です。スウェーデンの精神科病棟で看護師を殺害すると脅迫、その後法医学的な精神医学治療を言い渡されました。
彼女はISに関与し人々を殺害したことを職員に伝え、看護師の父親の首を切り落とすべきだと話していたと言われています。この女性は戦争犯罪の疑いがありますが、SVTによるとこの女性も尋問後に解放されたとあります。
3人目の女性は48歳で同じく西スウェーデン出身です。彼女は2013年に5人の未成年の子供と一緒にシリアへ渡り、2人の息子をIS宿舎に入れISで少年兵になりました。そして2人の息子は18歳と14歳のときに戦いで亡くなりました。彼女は現在、強制結婚と戦争犯罪の疑いがあります。 SVTによると尋問後に釈放されたとあります。
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テロ研究者のマグナス・ランストープ氏によれば、スウェーデンのIS女性はまるでデンマークからの帰還者のように扱われ、再び社会に釈放されるのではなく、亡命者プログラムに従うようにすべきだと語っています。
www.svt.se
また2017年9月28日の橘玲氏の「橘玲の世界投資見聞録」-『ヨーロッパの若い女性がISに渡ろうとする理由とその末路』には、
外国人ジハード戦士でもっとも多いのがイギリス人で、600~700人が戦闘に参加したとされる。その後はフランス、スペイン、ベルギー、ドイツ、アメリカと続き、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドなど北欧の国々の名前もある。世界でもっとも自由でリベラルな社会であるはずの西ヨーロッパから、テロをも辞さないジハード主義者が次々と生まれているのだ。
と記されています。
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実際にスウェーデンのヨーテボリ新聞にも、ヨーテボリ市は長い間イスラム過激派であるサラフィー主義の中心であると記されています。
サラフィー主義はイスラム教の極端な方向であり、その考えは民主的な自由と権利を損なうもので、サラフィストの世界観では、教義に従わないイスラム教徒は非信者と見なされるとあります。
サラフィージハード主義は、アルカイダやIS(イスラム国)などのテロ組織に関連付けられるようになったイデオロギーでもあります。
こうした長い間イスラム過激派サラフィー主義の中心地であるヨーテボリ市に1人のIS女性が解放されました。今後大きな事件が起きないことを強く望んでいます。
