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新刊「北欧、幸福の安全保障」が発売されました。内容は少子高齢化が進む日本の参考ともなるように、幸福度の高い北欧社会を「幸福」という視点から多面的に捉え、北欧の人々の幸福の基盤ともなるNATO加盟を含む安全保障状況についても記載しています。 現在、全国の書店で販売中!

世界で広がる陰謀論!ロイター通信によるコロナ検査特許の検証

欧州でのコロナ規制緩和

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世界各地に広がる新型コロナウィルスは、発生から1年半たつ今も世界で猛威を振るっています。しかしファイザーやモデルな、アストラゼネカ社などのワクチンによって、ヨーロッパでは感染もだいぶ抑えられてきました。

 

スウェーデンでは2020年5月には過去7日間で世界で最も高い死亡者数となり、人口当たりで日本の63倍以上の死亡者数を出していましたが、現在の感染者数は1日800から600人程度に抑えられ、1日の感染者数は人口当たりですと、過去最大感染数のでる日本と同じ程度までに抑えられています。

 

そのためスウェーデンでは5段階に分け規制緩和が計画されており、7月15日より3段階目に移行しました。そのため街中でもほとんどマスクをしている人はいなくなりました

 

7月6日の英国放送協会BBCの記事でも、ボリス・ジョンソン首相は5日の記者会見で、イングランド新型コロナウイルス対策が今月19日に最終段階に入り、マスク着用や他人との距離確保のルールは廃止されるとの見通しを示したと記しています。

 

多くの国でワクチン接種により感染拡大防止につながっているようです。

 

www.bbc.com

kon-51.hatenablog.com 

世界で広がる陰謀論

コロナウィルスワクチンが普及する中、最近よくコロナウィルスやワクチンに関する色々な陰謀論も耳にするようになりました

 

7月5日の日経ビジネスでも、「陰謀論を口にする父、どうすればワクチン接種を説得できる?」というお悩み相談も紹介されています。

 

business.nikkei.com 

またビジネス系ウェブメディアJBpressでも

新型コロナウイルスの発生源について、中国政府や世界保健機関(WHO)は「動物から人間への自然感染」としている。

しかし米国では、武漢ウイルス研究所からウイルスが流出したことを示す根拠が次々に挙げられ、「流出説」を「陰謀説」と断じた側こそ事実を隠蔽しようとしたのだとする非難が強くなってきた。

同研究所でウイルスの感染力を高める研究が行われていたことや、その研究への米側からの資金供与も確認され、米国議会での論議も熱気を増してきた。

と記されています。

 

jbpress.ismedia.jp 

3月7日の公共テレビSVTによると、ストックホルムでは陰謀論者、ワクチン反対やコロナ規制に批判的な人々300人から500人が集まりデモが行われ、幾人かのデモ参加者が逮捕される事態となりました。

 

これまであまり表立って話されなかった陰謀論ですが、現在のパンデミック下多くのメディアでも取り上げられるようになっています

 

www.svt.se 

世界で広がる陰謀論!ロイター通信によるコロナ検査特許の検証

多くの陰謀論がある中、陰謀論者にはよく知られているユダヤ系ドイツ一族ロスチャイルド家とCOVID-19の検査方法の特許に関して世界的に大きな注目となっています。

 

tapnewswire.com 

ビジネスニュース、政治・社会ニュース「NetIBNews」にその陰謀論に関し次のように記しています。

2015年の時点で、COVID-19の検査キットに関する特許が取得済みになっている事実である。リチャード・ロスチャイルドの申請者名でオランダ政府が承認していた。言い換えれば、新型コロナウイルスの感染が始まる4年前に検査方法が確立していたわけだ。しかも、17年から同種の検査キットの輸出販売が開始されている。

 

こうした世界的に広まった陰謀論をイギリスの通信社「ロイター」が検証し記事にしています。ただロイターの結論としては誤った情報と結論づけています。 

 

www.reuters.com 

理由としては、確かにロスチャイルドは特許番号「US20200279585A1」でオランダ政府企業庁に登録があり、優先日(Prioriteitsdatum)が「2015-10-13」だからとあります。

 

そして陰謀論者はこれを2015年の優先日がコロナウイルスパンデミックが計画されている証拠であると主張しているとのことです。

 

しかしロイターは陰謀論者が、特許の「優先日」「申請日」を混同していると述べています。

 

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patents.google.com 

優先日とは、関連する特許出願の中で最も早い出願日、または発明の特定の特徴の最も早い出願日を指すものです。この場合、2015年10月13日は、ロスチャイルドがこの特許で最初に仮出願を行ったときの日付です。

 

その後一連の定期的な非仮特許出願が、「生体認証データを使用、処理、および表示するためのシステムと方法」に対して行われました。

 

patents.google.com

 

これらの初期の特許は、本質的に「US20200279585A1」の前身であり、生体認証データの使用など、同様の機能を共有しています。しかし生体認証データを分析してユーザーがCOVID-19に感染しているかどうかを判断するシステムの特許は、2020年5月17日まで申請されませんでした。


陰謀論では、2017年にCOVID-19検査の特許が申請されている証拠を提供すると主張していますが、これは「生体認証データを使用、生体認証、および表示するためのシステムと方法」特許における、2017年4月24日の出願日とのことです。この特許は確かに「US20200279585A1」の前身でありますが、COVID-19についてはどのような事も言及されていません。

 

そのためロイターは、この陰謀論「優先日」と「申請日」を間違って解釈しているため、誤りであると結論づけています。

(詳しく知りたい方はロイターの英語の原文での説明をお読みください) 

 

私は陰謀論に特に興味があるわけでもなく、実際の真相はどうなのかわかりませんが、今回の新型コロナウィルスによるパンデミックは、世界中で不安を引き起こし、その不安からか陰謀論も多くなっているようです。

 

kon-51.hatenablog.com