2018年度OECD生徒の学習到達度調査(PISA)における統計偽装
北欧というと自然のあふれ環境の中で、のんびりとしながらでも教育水準が高いという印象が強いのではないでしょうか?
2018年度のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)において、フィンランドは読解力において第3位、スウェーデン7位と、日本(11位)よりも高い学習到達度となっています。

OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント 文部科学省・国立教育政策研究所 令和元年12月3日
2015年度のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)では、スウェーデンは科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシー全ての面で日本を下回り、科学的リテラシー、数学的リテラシーにおいてはOECDの平均を下回る結果となってしまいました。
その為2018年度のPISA結果が大幅に向上し、読解力においては日本の11位より上位をつけOECD内でも7位となり、2018年度のPISA結果向上はスウェーデンにとって嬉しい知らせでありました。

OECD生徒の学習到達度調査2015年調査(PISA2015)のポイント 文部科学省・国立教育政策研究所
しかし著書『スウェーデン 福祉大国の深層』でも取り上げましたが、2020年6月2日の新聞エクスプレセンによると、2018年度の学習到達度調査(PISA)において、スウェーデンでは大きな統計データの誤魔化しがされていたことが発覚したのです。
www.expressen.se
その後の2018年度のPISA統計偽装問題と2021年度への展望
2020年6月に明らかになった2018年度PISAにおける統計偽装ですが、今年5月のヨーテボリ新聞で再び取り上げられました。
ヨーテボリ新聞によれば、2018年度のPISAの実際の結果は、2015年の結果と同じくOECD平均をはるかに下回る。また野党は政府に疑惑を抱き、PISAの結果を良くみせることで、学校における移民の子供教育問題を隠す目的の不正行為であり、首相ステファン・ローベンの膝元に転がる大きな問題だと記しています。
教育大臣アンナ・エクストロームの責任も重く、OECDの規則に反しながらもPISA学習到達度調査から除外され十分な学習支援を受けれない学生に対する重大な違反行為、かつ懸命に働く教師への敬意欠如、平等な学校の裏切りであると報じています。
3年ごとに実施される学習到達度調査(PISA)は今年行われます。この2021年度のPISA結果を通し統計偽装問題を含めた数々の教育問題が改善され、教育水準が向上しているか否かみえてくるのかもしれません。
www.gp.se
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