
孤独死:長期間発見されない『孤独』の実態、中には死後4年以上も
日本では生まれる子供が少ない中、団塊の世代が高齢化する超高齢化社会に突入しています。
それにともない高齢者が自宅で孤独死を迎えるケースが増えてきています。
10月6日のNHKクローズアップ現代によれば、現在高齢者の孤独死が増えるていることが報じられています。
今、孤独死は年間2万6,000件以上起きているといわれています。
さらに、コロナ禍で11年ぶりに自死の数も増加。年間2万人を超えました。
事故物件は、現代の孤独とつながっている。業者はそう言います。
鎌田美智生さん
「今、日本は核家族というか、兄弟どうしの関係も疎遠になってきている。人とのつながりを自ら切っていく方は多い。特別なものではなく、今の皆さんの生活の延長線上の縮図」
現在の日本が抱える少子高齢化社会と、核家族化による孤独死が増加している事がわかります。
www.nhk.or.jp
しかしこうした孤独死は日本に限った問題ではありません。
スウェーデンでも同様に孤独死が問題となっています。
12月21日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、2018年から2020年の間の調査によれば、自宅で亡くなったものの気づかれず、死後1か月以上経過した人たちが400人以上いたことがSVTの調査でわかったとのことです。
さらに3か月以上経過したのは100人以上おり、1年以上経過したのは10人以上いたとのことでした。
www.svt.se
遺体安置所への輸送を行ってきたオステン・サルヘン氏によると、
多くのケースでは、犬が主人のすぐ隣で死んでいます。動物はとても忠実です。
家の中に入るためにはドアの内側にある郵便物や広告の山の中をかき分けて入る必要があります。これが社会の闇の部分です。
こうした人たちが孤独の中で亡くならないよう、亡くなる前に訪問するべきだと思います。そうすれば誰にも知らずに亡くならないはずです。
と答えています。
近年最も注目された孤独死では、2019年秋にストックホルムのゼーデルマルム地域のアパートで死亡した80代の男性が、死後約4年間経過し発見されたケースでした。
この男性はSVTの記事で「ストックホルムで最も孤独な人」と呼ばれニュースとなりました。
www.svt.se
2019年のWamans Laboの記事によれば、
ニッセイ基礎研究所の推計によると、全国の65歳以上の孤独死者数は年間で26,821人(このデータでは「自宅で死亡し、死後2日以上経過」していることを孤独死の定義としている)。平成11年から平成21年の10年間で3倍にも増えた。
総務省統計局のデータでは、2030年にはさらに3世帯に1世帯が単身世帯となることが予想されており、孤独死の件数も比例して増えていくことが考えられる。
と記され日本では孤独死が増加している事がわかります。
womanslabo.com
ただこのニッセイ基礎研究所の孤独死の定義では死後2日以上経過であり、26,821人の孤独死数となっています。
スウェーデンの人口は日本の約12分の1しかありません。
それにもかかわらず死後1か月経過しても発見されないケースが400人以上もあるため、スウェーデンでも孤独の中亡くなっている方が非常に多いことがわかります。
2020年のOECDのデータによる、日本の高齢者率(65歳以上の割合)は28.789%でありOECDの中で1番高い高齢者率です。
しかしスウェーデンの高齢者率も20.058%(14位)である超高齢化社会であり、若い難民の流入による人口増加でもあるため、高齢者率以上に高齢化問題は深刻です。
そのためスウェーデンでも孤独死は問題となっているのです。
日本やスウェーデンなど高齢化がすすむ国々では、自宅で一人で亡くなる高齢者が少なくなるよう、地域社会と協力し孤独死を減らす取り組みがさらに必要となってくるはずです。

OECDによる高齢者率(65歳以上)データ
https://data.oecd.org/pop/elderly-population.htm
リンク