
スウェーデンより低い日本の自殺率(WHO統計データ2019より)
日本の自殺率が高いことは世界でもよく聞く話です。
そのため、ときどきスウェーデン人など海外の人から「日本ではなぜ自殺がそれほど多いのか」と聞かれることもあります。
しかし本当に日本の自殺率がいまだに世界でもトップレベルで高いのでしょうか?
著書 スウェーデン 福祉大国の深層では、2018年のOECDの統計によれば日本が7位(10万人あたり14・9人)、スウェーデン17位(11・4人)と日本のほうが全体的な自殺率は高いものの、
高齢者だけを比較した場合、2019年の日本の60歳以上における高齢者の自殺率が18・3人であるのに対し、スウェーデンの65歳以上の自殺率は19・4人と、統計年齢層は異なるものの、スウェーデンの高齢者のほうが自殺率が高いことを記しました。
たださらにWHOの2019年の統計データによれば、日本の自殺率は世界的にも際立って高いわけではなく、
世界の183カ国の自殺率をを比較した場合、日本の自殺率の順位(上位は自殺率高い国)は世界で46位であると記されています。
さらにWHOの2019年の統計データーによれば、日本の男女合わせた自殺率(Age-standardized suicide rates)は
スウェーデンやフィンランドよりも低いとも示されています。
フィンランド:36位 (10万人あたり自殺率 13.4)
スウェーデン:42位 (10万人あたり自殺率 12.4)
日本: 46位 (10万人あたり自殺率 12.2)

WHO2019年統計データー
https://www.who.int/publications/i/item/9789240026643
また現在、戦争下にあるロシア、ウクライナでは日本よりもはるかに高い自殺率であり、
GDPが世界一であるアメリカにおいても日本よりも高い自殺率であることがWHOの統計データでは記されています。
ロシア: 自殺率 21.6 (10万人あたり)
ウクライナ:自殺率 17.7 (10万人あたり)
アメリカ: 自殺率 14.5 (10万人あたり)

WHO2019年統計データー
https://www.who.int/publications/i/item/9789240026643
Age-standardized suicide rates: 定義
ある国の 1 年間の自殺者数を WHO の標準人口で割り、100 000 を掛けた値。
www.who.int
OECDの統計データを見ると2019年においても、日本の自殺率のがスウェーデンやフィンランドより高い表されてもいますが、こうした統計データは統計方法で大きな違いがでてきます。
そのため一概に1つの統計データだけをもちい日本と他国との比較し日本は問題が多い国と受け取ったりせず、
多角的に広い視点で分析し判断したほうが良いのかもしれません。
https://data.oecd.org/healthstat/suicide-rates.htm
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