
拳銃事件は人口当たり日本の176倍
スウェーデンというと平和でのどかなイメージが強いと思います。確かに街中にも自然も人口も少ないので、東京のように雑踏の中の忙しない生活環境ではありません。そのため犯罪にも縁のない国のようなイメージがもたれています。
しかし近年拳銃事件が日本とは比べられものにならないほど多発しています。
これは著書『スウェーデン 福祉大国の深層』の中でも取り上げましたが、スウェーデンにおける拳銃事件の数は、2017年では306件にもおよび、43人もの人が拳銃事件だけで死亡しています。
日本の拳銃事件の数は年間22件で、比較するとスウェーデンのが約13.9倍も拳銃事件が多く、人口比で考えれば約176倍も多い計算となります。
sverigesradio.se
『平成29年における組織犯罪の情勢【確定値版】』警察庁組織犯罪対策部 組織犯罪対策企画課、平成30年4月
https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kikakubunseki/sotaikikaku03/h29.sotaijousei.pdf
The local『In figures: 2017's shootings in Sweden』22 December 2017
https://www.thelocal.se/20171222/in-figures-2017s-shootings-in-sweden/
ヨーロッパで最大の射殺事件数
また2021年5月26日の公共テレビSVTニュースによれば、スウェーデン犯罪防止評議会(Brå)は、2000年から2019年にかけてヨーロッパ22ヵ国と射殺事件を比較しました。射殺事件に関してスウェーデンは、2018年以来最高レベルであると結論付けられています。
2000年代初頭、射殺事件ではスウェーデンが最下位でしたが、2012年から2020年にかけて、急激に上昇が見られたと報じています。
研究者クラーラ・フラディロヴァセリン氏は
「スウェーデンが報告している増加は、ヨーロッパの他の場所では見られない」と語っています。
www.svt.se
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