
コロナ委員会:2回目の報告書と7つのポイント(公共テレビSVTより)
日本ではあまり知られてはいませんが、2020年12月15日スウェーデンのコロナ委員会はスウェーデンの高齢者コロナ戦略が失敗であるという1回目の報告書をだしました。
corona kommissionen『Delbetänkande 1 – Äldreomsorgen under pandemin SOU 2020:80』2020-12-15
coronakommissionen.com
そして10月29日にコロナ委員会は2回目の報告書を出しました。10月29日の公共テレビSVTではそのコロナ委員会の報告書の結論のうち7つのポイントを下記のように記るしています。
コロナ委員会は本日、スウェーデンのパンデミックへの対応に関する2回目の報告を発表しました。これが主な結論であり、7つのポイントに要約されています。
1. 対策に時間がかかりすぎた
スウェーデンのパンデミックへの対応が遅れていたことが特徴づけられている、と委員会は書いている。初期の保護対策は、国内における感染拡大防止または大幅に制限するには不十分でありました。
2.(政府) 介入前の自主性
スウェーデンの(コロナ)対策選択は、強圧的な措置ではなく、自主性と個人的責任に基づく感染管理措置を強調していると委員会は述べています。
他の多くの国では、ロックダウンや強圧的な規制がとられました。しかし委員会はスウェーデンの対策選択が合理的であったかどうか、またはウイルスの拡散を制限するために他の対策を講じたほうがよかったかどうかはこの中間報告でコメントしていませんが、最終報告書ではそれを行います。
3. スウェーデンの準備は良くありませんでした
スウェーデンのパンデミック対策は標準以下でした、とコロナ委員会は記しています。特に防護具の不足があげられます。
スウェーデンの緊急備蓄品は数年間廃棄されており、(コロナ)発生時には事実上存在していませんでした。
代わりに、防護具の購入はほとんどすべての場所で「ジャストインタイム」という概念に基づいていました。例えばできるだけ少なく効率的に在庫を確保することに努めました。
こうした理由により、2020年春のパンデミックの最初の波の間、防護具の不足は非常に深刻になり、スタッフ、特に自治体内では適切な(防護具の)装備なしで作業しなければならないことになりました。
4. 不十分な伝染病管理法
伝染病管理法は、深刻な伝染病やパンデミックの発生に対処するには不十分であると委員会は記しています。
委員会によると、(社会生活)活動閉鎖を可能とする広範囲な権限を政府に与える伝染病管理法の一時的な改正は、非常に早く実施されるべきだった。
同じことが一時的なパンデミック法に関しても当てはまります。
「最初の(コロナ第1)波の間に、伝染病管理法のツールが不十分であったことはすでに明らかだったはずです。」
5. 不明確な責任
スウェーデンの感染管理は、深刻な感染症が国に影響を及ぼしたときに誰が全体の責任を負うのか不明確になるように分権化され断片化されていたと委員会は書いています。
6.ケア(介護)はすぐに変わりました
急な通知で、医療サービスはコロナ患者のケア(介護)を変更し規模拡大すことができました。それは主にスタッフ(医療従事者)の功績です。
(介護変更の)調整はスタッフ(医療従事者)に多大な負担をかけるだけでなく、ケアのキャンセルと延期を代償により実施されました。
したがってこのパンデミックの結果(経験)が今後も長く生き続けてくだろうと委員会は記しています。
7. データの欠如
いくつかの分野ではデータが不足しているため進行中のパンデミックの監視と、その後のパンデミック管理への完全に評価するのが困難になっています。
www.svt.se
コロナ委員会 2回目報告書 2021年10月29日
『SOU 2021:89 Sverige under pandemin – Volym 1 Smittspridning och smittskydd』2021-10-29
https://coronakommissionen.com/wp-content/uploads/2021/10/sverige-under-pandemin-volym-1_webb.pdf
Summary in English
https://coronakommissionen.com/wp-content/uploads/2021/10/summary-sweden-in-the-pandemic.pdf
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