北欧、幸福の安全保障

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フィンランドで起きた「つり目」東アジア差別 ― 人権先進国は変わってしまったのか?

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2024年12月、フィンランドで起きた一件の「つり目」ジェスチャーをめぐる問題が、日本でも大きく報じられました。


日本政府の木原官房長官が、フィンランド側に対して懸念を伝える事態にまで発展し、多くの日本人にとって「人権先進国」「差別に厳しい国」というフィンランドのイメージが揺らいだ出来事だったと言えるかもしれません。

ところが、当のフィンランド政府、とりわけオルポ首相の認識は、日本側とは大きく異なっています


フィンランドの首相は「問題は解決した」と発言

フィンランド公共放送Yle(2024年12月19日付)によれば、オルポ首相は、極右政党「フィン党(真のフィンランド人党)」所属議員による、いわゆる「つり目」ジェスチャー画像の投稿について、

この件はすでに処理済みであり、これ以上の政府対応は不要

との認識を示しました。

 

yle.fi

当該議員らは謝罪を行い、党内で厳重注意も受けたため、政府としてはこれで幕引き、という立場です。


しかし、この行為が東アジア系に対する明確な差別的ジェスチャーとして国際的に認識されていることを考えれば、「解決済み」とする姿勢に違和感を覚える人が少なくないのも事実です。

 

また、このつり目をした本人ユホ・エーロラ議員自身でさえも、党からの除名など受けるのかと思っていたが、厳重注意に留まり処罰が軽すぎると話す状況です。

 

yle.fi

なぜフィンランド政府は強く踏み込めないのか?

この背景を理解するうえで重要なのが、現在のフィンランド政権連立政権であるという点です。

オルポ政権は、中道右派の国民連合党を中心に、極右政党フィン党を含めた連立で成り立っています。


フィン党は、移民・難民に強く反対する姿勢を前面に打ち出し、近年、支持を急拡大してきました。

そのため、政府としては、

フィン党を過度に刺激すれば連立が崩れる

・内政の安定が損なわれる

という事情を抱えており、差別問題であっても、踏み込んだ対応を取りにくい構造があります。


フィン党が支持を伸ばした理由 ― 難民問題と治安不安

フィン党が勢力を拡大した最大の理由は、ここ数年で急増した難民・移民をめぐる社会不安です。

・一部地域での治安悪化

社会保障への負担感

フィンランドの文化が崩れるという感情的反発

こうした不満が蓄積し、移民・難民に厳しい姿勢を取るフィン党に支持が集まりました。

その結果、かつては人権擁護・少数者保護を国是のように掲げてきたフィンランドが、政治的にはこれまでとは大きく方向転換しつつあるのです。


「人権先進国フィンランド」は今も同じなのか?

今回の「つり目」差別問題は、単なる一議員の不適切行為ではありません。


それは、極右政党を政権内部に抱え込んだ結果政府が差別問題を矮小化せざるを得なくなっているフィンランドの現実を象徴しています。

表向きは「差別は許されない」と言いつつも、実際には、

・問題を早期に終わらせる

・国際的批判を最小限に抑える

という政治判断が優先されているように見えます。



日本でこの問題が大きく受け止められたのは、フィンランド「模範的な国」であるというイメージがあったからこそでしょう。


しかし現在のフィンランドは、これまでの理想現実の間に、確かなギャップを抱え始めており、現在のフィンランド政治の弱さが見えいます。


今回の出来事は、フィンランドが「特別に差別のない国」なのではなく、他の欧州諸国と同様に、移民・極右・分断という課題に直面している一国家であることを、改めて示したと言えます。

 

同様に、隣国スウェーデンでも移民反対の極右政党のスウェーデン民主党が第2政党であり、政権に大きな影響を与えています。これも、難民増加により、治安の悪化、スウェーデン文化が大きく崩れていることがあります。


日本から北欧を見る際にも、メディアにより理想化されたイメージだけでなく、こうした政治的・社会的変化を踏まえて理解する必要があるかもしれません。

 

移民受け入れ政策に舵を切り始めた日本にとっても、現在の北欧の実情は大きな示唆を与えてくれるはずです。

 

皆さんは、どのようにお考えですか?

 


こうした日本のメディアではなかなか報じられないリアルな北欧の実情を多くの方に知っていただくために、この記事をシェアしていただけると幸いです。