スウェーデン「『持続可能な学校』2024年発表!未来を変える教育の実践例」
スウェーデンでは11月11日の「持続可能性の日」に、学校や幼稚園が持続可能な未来への取り組みを称えるイベントが開催されました。
今年の「最も持続可能な学校」のタイトルは、全国750以上の施設が競った中から選ばれました。受賞校は以下の通りです:
1. 幼稚園部門:エケローの「ローウヴハーゲン幼稚園」
特徴と取り組み
- 子どもたちが直接参加する環境活動(リサイクル、植樹、ガーデニング)を通して、日常的に自然と触れ合いながら学ぶ環境を提供。
- 教職員と子どもたちが共同で進める取り組みが、持続可能性の重要性を実感する機会を創出。
- 結果として、子どもたちが未来をよりよいものに変える力を持つという自信を育成。
選考理由
活動が単なる教育にとどまらず、子どもたち自身が主体的に意思決定を行い、環境に直接影響を与える仕組みを作り上げている点が評価されました。
2. 小学校部門:ストックホルムの「ニーヤ・エレメンタル」
特徴と取り組み
- 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を学校の全授業に組み込み、生徒が日常的に意識するよう工夫。
- 地域行政や国際機関(例:UNICEF、国連協会)と連携し、プロジェクト型学習を展開。
- 例:資源の効率的利用をテーマにしたプロジェクトで、具体的な改善策を生徒が提案。
- 生徒同士の協力を促進する仕組みを作り、教育全体で「持続可能性」を支える基盤を構築。
選考理由
生徒がただ知識を得るだけでなく、地域や国際機関との連携を通じて行動力を高めている点が高く評価されました。
3. 高校部門:ヨーテボリの「クンナプスギムナジエット」
特徴と取り組み
- 生徒主導のプロジェクトを軸に、学校全体で持続可能性を追求。
- 例:学校内の食品廃棄量を50%削減するプロジェクトを実施。
- 「持続可能性」に焦点を当てた卒業研究を促進。
- 科学者や研究機関との連携により、生徒のアイデアを具体化し、実践的な成果を出すことを目指す。
- 「持続可能性委員会」を設置し、全校を巻き込む透明性の高い取り組みを展開。
選考理由
実際に成果を出すことを重視し、具体的な進展を遂げた取り組みが評価されました。また、生徒主体の活動が教育現場に持続可能性の意識を根付かせている点も大きなポイントです。
総評
これらの学校は「教育を通じた社会変革」の模範例として、スウェーデン全土で注目されています。グリーンフラッグ教育プログラムを通じ、持続可能性を教育カリキュラムに取り入れたことで、子どもたちが環境問題を「他人事」ではなく「自分事」として捉えられるようにした点が共通の成果といえます。
拙書『 北欧、幸福の安全保障』でもフィンランドの子どものウェルビーイング向上に向けたマインドフルネス授業について記しています。
こうした新たな取り組みは国内だけでなく、世界の教育現場にも良い影響を与えることが期待されています。
www.svt.se
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