
刑務官人質事件:2人の人質犯に7年の求刑
7月21日の1時半頃、エスキルストゥーナ市郊外のヘルビー刑務所で刑務官2人が人質にとられる映画やドラマのような事件が発生しました。
7月21日の公共テレビSVTによると、ストックホルムから西へ約100キロ離れたエスキルストゥーナ市郊外のヘルビー刑務所で、刑務官2人が殺人犯である囚人2人により人質に取られました。 人質に取られたのは刑務所の代理刑務官の男女2名でした。
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スウェーデン刑務所・検察局によると、囚人が刑務室に入ったとき、2人の刑務官が刑務室におり、刑務官2人を人質に病棟の刑務室に立てこもったのでした。
その後犯人は脱走用のヘリコプターを要求しました。しかしヘリコプター要求は受け入れられなかったため、代わりに刑務所に収監されている他の囚人20人にケバブピザを用意すれば人質1人を解放するとし、実際に1人の人質が解放されたのでした。
その後もう1人の人質も無事釈放され、2人の犯人も逮捕されたのでした。
11月6日のスウェーデン公共テレビSVTによれば、この人質犯である囚人2人への刑期が決まったと報じられています。
1人の囚人に対しては、誘拐罪、役人への暴行罪、および恐喝で有罪判決、もう1人の囚人に対しては、さらに脅迫罪での有罪判決がだされ、これまでの刑期に加えて7年の懲役が求刑されたのでした。
さらに囚人2人は人質にした刑務所刑務官2人に対して損害賠償も支払わなければならないとのことです。
ドラマのようにヘリコプターで逃走することもできず、ケバブピザと引き換えに追加で7年の懲役を受け、さらに損害賠償までさせられる結果となったのでした。
しかしこの刑務官人質事件が起きた背景には、現在スウェーデンで増加する犯罪事件にともない逮捕者が増加し、刑務所内の環境が悪化している事があげられます。
そうした刑務所内の環境への反発のためこの刑務官人質事件が起き、脱走はできなかったものの最低限の見返りとして囚人20人に対してのケバブピザを要求が行われたのです。
この人質事件は単なるドラマのような珍道的な事件ではなく、現在のスウェーデンにおける犯罪増加の実態を示す事件でもあるのです。
