スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』を水曜社より商業出版(政府刊行物)して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

フィンランド「歴史:スウェーデンでマイノリティ(少数派)のフィンランド人」

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フィンランドスウェーデンに隣国する北欧の国です。

 

歴史としては14世紀から18世紀にかけフィンランドスウェーデン王国に属していました。しかしスウェーデンとロシアとの戦争により1809年にフィンランドはロシア配下となります。その後ロシアから独立し1917年に現在のフィンランド共和国が建設されました。

 

またあまり知られていませんが、フィンランド第二次世界大戦(継続戦争)ではソ連と対抗するためにナチス・ドイツイタリア王国などの枢軸国側について戦ってもいました

 

現在のスウェーデンは中東、アフリカを背景にもつ人々の多い移民国家となり、同じ北欧人のフィンランド人は似たような民族として扱われています。しかし一昔前まではスウェーデンでは今ほど移民はいませんでした。

 

初めにスウェーデンに移民としてやってきたのはフィンランド人で、1950年代から1960年代に多くのフィンランド人が仕事を求めスウェーデンにやってきました。

そのため現在もスウェーデンに多くのフィンランドスウェーデン人が住んでいます

 

現在スウェーデン政府はフィンランド人を少数派民族として公式に指定し、フィンランド人に対する優遇措置もとられています。その1つに公的サービスや教育がフィンランド語でも受けられる点などがあります。

 

しかし歴史的背景からフィンランド人が仕事を求めてスウェーデンにやってきたため、今でもスウェーデン人(先住の)はフィンランド人をやや上から目線でみている点があるとも知人のスウェーデン人(先住の)は説明してくれました。

 

そしてスウェーデンフィンランドは近隣諸国でありますが、スウェーデン人は意外とフィンランドのことを知りません。

 

フィンランドではスウェーデン語が公用語で、学校でもフィンランド語とスウェーデン語の両方とも勉強する必要があります。また公共サービスもスウェーデン語でも提供しなくてはなりません。これは過去のスウェーデン王国に属していた歴史にも理由があるようです。

 

しかしスウェーデンでは公的サービスや教育がフィンランド語でも受けられるものの、フィンランド語は公用語でなく、実際にフィンランド語を知るスウェーデン人もあまりいません。

 

唯一スウェーデン人がよく知るフィンランド語は、温熱ヒーターに記された「カバーをするな (EI SAA PEITTÄÄ)」という言葉であり、この言葉を聞くとスウェーデン人はなぜか大笑いします

 

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温熱ヒーターに書かれたスウェーデン人がよく知るフィンランド

 

このように隣接するスウェーデンフィンランドでありますが、スウェーデン人は意外とフィンランドについて知りません

 

そのため9月2日の公共テレビSVTで、意外と知らないフィンランドについての番組について紹介されました。番組ディレクターはフィンランド出身で、フィンランド人やスウェーデンに住むフィンランド人を紹介するユーモアのある番組です。

 

その記事でもフィンランド人は約600年間スウェーデンに住んでいますが、スウェーデンフィンランド人について話すことはめったにないと記されています。

 

www.svt.se

 

日本人からすると北欧といえば同じような国々と考えてしまいがちです。

 

しかし実際にはスウェーデンスウェーデン語、フィンランドフィンランド語、ノルウェーノルウェー語、デンマークデンマーク語、アイスランドアイスランド語全て言語も民族(先住の)も違います。また歴史も違い文化も違うのです。

 

そのため隣国のフィンランドのことを知らないスウェーデン人(先住の)は意外と多くいます。

 

北欧にきたときにはそれぞれの国を旅してみてください。少し違った歴史や文化にも触れることができるはずです。