スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』が水曜社より商業出版して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

スウェーデン「押収武器は年間1305件!銃器法強化後もますます増加する銃犯罪」

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近年スウェーデンにおける銃犯罪は年々増加しています。

 

7月1日にはヨーテボリ市において33歳の警察官がギャングメンバーに射殺される事件が起きました。7月16日にはストックホルムにおいて外で遊んでいた幼い子供2人が銃撃されるという事件まで起き、スウェーデンでは大きなニュースとなりました。

  

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7月20日の公共テレビSVTの記事によると、近年銃犯罪による検挙者が増加していると報じています。スウェーデンでは2018年に銃器法が強化され、重大な銃犯罪に対する最低刑が懲役1年から2年に引き上げられました。

 

しかし銃器法が強化されたにもかかわらず、2017年は64人であった銃犯罪の拘留者数は、銃器法強化した2018年は320人2019年は302人2020年は340人となり、銃器法強化後に増加しているとのことです。

 

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また銃器法の強化後の逮捕者数の増加だけでなく、警察に押収された武器の数も増加2020年は1305もの武器が押収されたとのことです。

 

スウェーデン税関によれば、武器押収量の増加は見られず武器流入は低いとのことです。 そして昨年は税関で約142の武器を押収したとあります。

 

また税関による国境管理所では、国境を通過する車をX線で撮影し車内の武器を見つけるスキャナー車を導入しています。

 

ストックホルム税関のユニット副部長であるヨハン・グスタフソン氏は

スウェーデン税関は、凶悪な暴力事件を阻止するためできる限りのことをする必要がある。我々税関ができることは、より多くの武器がスウェーデン市場に流入することを防ぐことです。

税関と警察の両方で情報収集活動を強化し、誰が武器を必要しているのか、誰が武器を持っているかを把握する必要がある

と語っています。

 

2020年3月12日の公共テレビSVTでは、スウェーデンへの違法武器の密輸方法が報じられています。

 

記事によるとスウェーデン密輸される武器の多くは南ヨーロッパから来ており、90年代の旧ユーゴスラビアでの戦争で使用されたハンドガンや自動小銃で、乗用車や宅配車でスウェーデンへ密輸されるとのことです。警察は欧州警察機構と協力してトラックでの大規模の密輸を防いだとあります。

 

しかし近年はオンラインでの武器購入が増加しており、武器全体ではなく武器の一部分を購入したり、合法的なエアーガンを輸入し改造することもあるそうです。これに対し警察と税関は協力し密輸を阻止しはじめたとあります。

 

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ただ2020年のSVTの記事による武器密輸方法では多くの武器が国境を越えてやってきていると報じています。しかし2021年7月20日のSVTの記事では、税関では武器押収量の増加は見られず武器流入は低いと報じています。

 

実際に現在スウェーデンでは毎週のように拳銃犯罪が発生しています。この2つのSVTの記事と、現在起きている実際の銃犯罪数を照らし合わせると、国境において税関の目をかいくぐり流入している武器の量は非常に多いのではないかと考えられます。

 

また著書『スウェーデン 福祉大国の深層』で詳細は記しましたが、スウェーデンでは自発的に武器を警察に提出すれば罪を問わないという恩赦期間というものがあります。

 

2018年2月1日から4月30日の期間中にもうけられた恩赦期間では3ヶ月で約1万2千の武器が提出されました。その多くは銃器でしたが、28トンの爆弾102個もの軍事兵器までもが提出されたのです。

 

またこの武器提出恩赦期間は2018年がはじめてではなく、過去に何度も実施されています。数年ごとに設けられる恩赦期間ですがその提出武器量は一向に減少していません

 

そのためスウェーデンにおける警察が押収した武器は2020年の1305だけではなく、実際にはさらに多い武器がスウェーデン国中に存在していると考えられます。

 

この7月には私が知る限りだけでも、ストックホルムで7件ヨーテボリで2件マルメで6件、スウェーデン全体では17件銃犯罪が起きています。そして7月1日にはヨーテボリ市で警察官が射殺され、7月17日には幼い子供2人が銃撃される事件まで起きています。

 

一朝一夕とはいかないでしょうが、国民が安心し子供を心配なく外で遊ばせられる社会を作るためにも、早急に銃犯罪対策を進めてもらいたいものです